Libraries:ユートピアとしての図書館

昨年の年明けに、最も欲しいけど手に入らないと書いた本がありまして(ココ)、その後わりとすぐにUK版を入手できたのに、自慢するのを忘れてたことを思い出しました。ドイツの写真家カンディダ・ヘーファーの写真集。
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Libraries』Candida Höfer著、Umberto Eco(序文)、Thames & Hudson刊

まず、序文をウンベルト・エーコが書いている点がすばらしい。これ以上の最適任者はいないですよねえ。そしてこの序文が非常におもしろいので必読です(英語ですがそんなに難しくはないです)。最初、長々と(当然ながら)ボルヘスの『バベルの図書館』の引用が出てくるところがエーコらしい。エーコが想定する最悪の図書館モデル19項目とか(笑える)、お気に入りの図書館の話(うらやましい)、コピーと著作権などの問題定義、そして図書館のあるべき姿について語ってます。

私がグッときたのは、「書物を隠匿する場所としての役割を果たしてきた図書館は、書物が再び発見される役割も果たしている(おおざっぱ訳)」というくだり。そうなの、そうなの!図書館って本来はそういう場所なんだよね!

ヘーファーの図書館の写真は、静かで整然としていて、圧倒的な力でこちらに迫ってくる感じ。「図書館=小宇宙/ユートピア」。どの写真も何度眺めても飽きないどころか、ここに行きたい、ここにも行きたい、あー、いいな〜〜〜!と想像がふくらんで楽しい。

うちの近所の図書館もこんなだったらいいのになあ。学生時代にアメリカで利用していた大学図書館があまりに立派すぎて、比較すると「未知の書物と出合える宝の宝庫」と「無料のしょぼい貸本屋」くらいの差がある。ま、しょうがないんだけど、もうちょっとなんとかならないかなー。

アメリカの大学図書館といえば、図書館を使いこなすための授業がとても楽しかったことを思い出しました。あの授業に出ていなければ、図書館内で迷子になって、探したい資料を見つけることなど不可能だったであろう。

さて、本書ですが、アメリカ版(Schirmer/Mosel)の表紙はこれ。
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やっぱりUK版のほうがいいね。UK版は表4もおもしろいので紹介しておきましょう。
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そうか、こういう本の並べ方もアリなのか…。

写真集のため中ページはお見せしませんが、カンディダ・ヘーファーかCandida Höferで画像検索すれば何点か写真が見られるかと思います。
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Tracked from Anonymous-so.. at 2009-02-24 11:31
タイトル : 『 カントとカモノハシ (上) 』ウンベルト・エーコ (著)
カモノハシ—この鳥とも獣とも魚ともつかない生物をもしもカントが見ていたら,どのような反省的判断を導きだしただろうか.「未婚の成年男性」は独身男の正確十分な定義と言えるだろうか…『記号論』から20年余,数々の思考実験を繰り広げながら人間の認識メカニズムのブラックボックスに挑む.(全2冊) ... more
by rivarisaia | 2009-01-31 23:59 | | Trackback(1) | Comments(0)

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