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見わたすかぎり人生

今年のイタリア映画祭は『il Divo』とこの2本しか観てませんが、2本ともよかったです。『il Divo』の感想は少々お待ちください。先にこっちの映画から。
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見わたすかぎり人生(Tutta la Vita Davanti)』監督:パオロ・ヴィルツィ
優秀な成績で大学を卒業したものの、まったく仕事が見つからないマルタ。ひょんなことから母子家庭での住み込みのベビーシッターとして働きはじめると同時に、その家のやさぐれた母親から紹介されて、怪しげな訪問販売のコールセンターでパートタイム(非正規雇用)の仕事をすることに…


扱ってるテーマは社会問題だけど、説教臭くないし、むしろコメディタッチなので笑える。そしてそこはかとなく随所に現実味が漂っているのでした。これは日本で公開してもいけるかも。

ぜんぜん仕事が見つからないうえに家も追い出されたマルタは、生活のためにどーしようもない仕事をすることになるんですが、マルタの学生時代の友人も似たり寄ったりで、TV局でくだらない番組つくったり、出版社で俗っぽい取材させられたりと、そうね、現実ってそんなもんですよね。わかるわ…(遠い目)。

マルタの勤める会社の自己啓発チックないかがわしいノリがすごい。「今日も1日がんばろう〜!イエー!」と全員で歌い踊る朝礼のような儀式がある(笑)。そんな雰囲気についていけないとはいえ、生活のためになんとかがんばるマルタ。頭の回転が早くて要領がいいので、なぜか成績優秀になっちゃうマルタ。

そんなマルタは、年寄りをだますような仕事に良心はとがめるものの、目の前の現実に対処するために良心を裏切る行為をするし、一見、勝ち組っぽい社長や女上司も、何とも淋しい私生活を送ってる。非正規労働者のための組合運動をやってる男性だって、お前はそれでいいのか!?というダメ男なのだった。まあ、現実ってそんなもんですよね。

特に何かが大きく好転するわけではないけど、ラストの庭で食事をするシーンでは人生捨てたもんじゃないという気になりました。実際、本当の幸福って日常のこういう瞬間に存在するんじゃないかなあ。ふだんのささやかな瞬間の積み重ねって大切だと思うよ。
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by rivarisaia | 2009-05-06 18:29 | 映画/洋画 | Comments(0)