アゲハようちえん:アオムシコバチとの戦い
2009年 07月 25日
あいかわらずアゲハ飼育中。この前なんて、羽化見るために5時起きですよ、奥さん!
このわたくしが、蝶1匹のために5時起き!バカじゃないの〜。
アゲハのサナギは、羽化前夜になると羽の模様が透けて見えるようになります。いまだに羽化の瞬間に立ち会ってない私は、いよいよ羽化という日、気合いを入れて5時に起きた。すると…
アゲハのほうが早起きだった…。肝心のアゲハは、壁にとまって羽を乾かしちゅう。
いったい何時に羽化したの〜。こうなったら、箱をかぶせて暗くしておいて、私が起きてから箱をどかして羽化させる、という奥の手を使うしかないのかなー。
さて。着々とアゲハが誕生してるかのようなアゲハようちえんですが、現実は過酷です。これまでサナギになるべく脱走したもの多数。園内でサナギになったものに関しても、
サナギから、蝶じゃなくて、寄生蜂ことアオムシコバチが羽化したケースが半数ですよ! きいいい!
アオムシコバチとは、一見、羽アリのようなハチ。羽アリ並に小さいので、網をかぶせても網目をくぐって入ってくる。そして奴らはサナギに卵を生む。やがてサナギに小さい穴をあけて、羽アリのようなコバチがぞろぞろ出てくるのであった。
サナギになるときに幼虫がかなり移動するのは、餌のそばでサナギになるとアオムシコバチに寄生される可能性が高くなるからだそうです。へえええ。
寄生されたサナギは、お腹の節が伸びて色がオレンジっぽくなったり、曲げても元にもどらなかったり、どうもようすがおかしいのでわかります。先日、そんなサナギをビニール袋に入れておいたら…
アオムシコバチ、またお前らかよ!! ビニール袋の黒い点々はぜんぶコバチ。数えたらなんと、87匹もいました。すごすぎる…。
アオムシコバチについて検索してみると、九州大学農学部生物的防除研究施設の高木正見氏の論文「アゲハの蛹寄生蜂としてのアオムシコバチの生態」を発見。
それによると、アオムシコバチが卵を産んで寄生するのは、アゲハの幼虫ではなくサナギ。その寄生率は、前蛹で0%、蛹化後0日〜1日が77.8% 、2日目71.4%、3日目20%、4〜5日目が11.1%、6日目でようやく0%となっています。ということで、サナギなりたてが要注意です。
詳細につきましては、論文情報ナビゲータCiNiiで、上記論文を検索してみてください。
ちなみに、87匹で驚いた私ですが、上記の論文ではひとつのサナギから「平均156.2頭、最高337頭が羽化してきた」とありますよ。恐るべし、コバチ。
「アゲハじゃなくてアオムシコバチ養成所みたいだねー」と家人に言われたのを機に、これまで屋外にあったアゲハようちえんは屋内に移転しました。屋内ではすこやかに育ってますが、自然界では卵から蝶になる確率は1〜2%。最初に聞いたときはずいぶん低いねと思ったけど、身をもって実感した。天敵はアオムシコバチだけじゃないもんね。
そう考えると、ふつうにひらひら飛んでるアゲハすごいわー。
このわたくしが、蝶1匹のために5時起き!バカじゃないの〜。
アゲハのサナギは、羽化前夜になると羽の模様が透けて見えるようになります。いまだに羽化の瞬間に立ち会ってない私は、いよいよ羽化という日、気合いを入れて5時に起きた。すると…
アゲハのほうが早起きだった…。肝心のアゲハは、壁にとまって羽を乾かしちゅう。
いったい何時に羽化したの〜。こうなったら、箱をかぶせて暗くしておいて、私が起きてから箱をどかして羽化させる、という奥の手を使うしかないのかなー。
さて。着々とアゲハが誕生してるかのようなアゲハようちえんですが、現実は過酷です。これまでサナギになるべく脱走したもの多数。園内でサナギになったものに関しても、
無事に蝶になった....4匹
羽化途中にて死亡....1匹
寄生されて死亡.......5匹
サナギから、蝶じゃなくて、寄生蜂ことアオムシコバチが羽化したケースが半数ですよ! きいいい!
アオムシコバチとは、一見、羽アリのようなハチ。羽アリ並に小さいので、網をかぶせても網目をくぐって入ってくる。そして奴らはサナギに卵を生む。やがてサナギに小さい穴をあけて、羽アリのようなコバチがぞろぞろ出てくるのであった。
サナギになるときに幼虫がかなり移動するのは、餌のそばでサナギになるとアオムシコバチに寄生される可能性が高くなるからだそうです。へえええ。
寄生されたサナギは、お腹の節が伸びて色がオレンジっぽくなったり、曲げても元にもどらなかったり、どうもようすがおかしいのでわかります。先日、そんなサナギをビニール袋に入れておいたら…
アオムシコバチ、またお前らかよ!! ビニール袋の黒い点々はぜんぶコバチ。数えたらなんと、87匹もいました。すごすぎる…。
アオムシコバチについて検索してみると、九州大学農学部生物的防除研究施設の高木正見氏の論文「アゲハの蛹寄生蜂としてのアオムシコバチの生態」を発見。
それによると、アオムシコバチが卵を産んで寄生するのは、アゲハの幼虫ではなくサナギ。その寄生率は、前蛹で0%、蛹化後0日〜1日が77.8% 、2日目71.4%、3日目20%、4〜5日目が11.1%、6日目でようやく0%となっています。ということで、サナギなりたてが要注意です。
詳細につきましては、論文情報ナビゲータCiNiiで、上記論文を検索してみてください。
ちなみに、87匹で驚いた私ですが、上記の論文ではひとつのサナギから「平均156.2頭、最高337頭が羽化してきた」とありますよ。恐るべし、コバチ。
「アゲハじゃなくてアオムシコバチ養成所みたいだねー」と家人に言われたのを機に、これまで屋外にあったアゲハようちえんは屋内に移転しました。屋内ではすこやかに育ってますが、自然界では卵から蝶になる確率は1〜2%。最初に聞いたときはずいぶん低いねと思ったけど、身をもって実感した。天敵はアオムシコバチだけじゃないもんね。
そう考えると、ふつうにひらひら飛んでるアゲハすごいわー。
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まるま
at 2009-07-28 08:05
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バカじゃないですよ、奥さん! もぬけのからの画像(&春巻さんの字?)もナイスです。アオムシコバチは名前が愛らしいですね。しかし、アゲハにとってそれほどの天敵だったとは……。これからは、ひらひらちょうちょを見る目が変わりそうです。自然界って厳しいのですね。
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rivarisaia at 2009-07-28 23:26
もぬけのからの字は「Magic Penツール」で書いたのでよれてます…。アオムシコバチは本当に羽アリにしか見えないのに、アゲハにしてみれば強敵です。「あら、サナギに羽アリが止まってるわ」と思ったら最後、間違いなく卵を生みつけられています。油断もすきもないのよー!
最初はね、共生とか自然の厳しさを乗り越えてこそ、などと考えてたんですけど、コバチ養成所状態なことに気づいてやっぱりやめました(泣)自然界厳しいですよね...。
最初はね、共生とか自然の厳しさを乗り越えてこそ、などと考えてたんですけど、コバチ養成所状態なことに気づいてやっぱりやめました(泣)自然界厳しいですよね...。
by rivarisaia
| 2009-07-25 23:59
| 動植物
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Comments(2)