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沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇

先日レンデル+シャブロルの『石の微笑』の感想を書いたばかりなので、こっちの映画も思い出しました。これはけっこう好き。原作も映画も両方よいというパターンですね。もう1回観たいなー。
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沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇(La Cérémonie)』監督:クロード・シャブロル

有名な話なうえに、サスペンスなのであらすじは割愛。ひとことで言うなら、ひとりの家政婦が大きなお屋敷にやとわれたことで起きる惨劇。

小説版では出だしの1文で主人公の抱える問題と、その結果起きたことが明らかにされてましたが、映画版は途中で主人公の抱える問題が判明します。このシーンは印象的で、必死でメモを読もうとする家政婦ソフィーのもどかしさにやるせなくなり、これまで何度も彼女は苦しい思いをしてきたであろうと想像できるのですが、その結果、劣等感だけがどんどん膨らんでしまったのが彼女の不幸でした。あまりに大きすぎる劣等感は物事が間違った方向に進む原因になるので、気をつけたいものです。

同じことは家政婦ソフィーの唯一の女友だちにも言える。ふたりとも自分をどんどん被害者に追い込んでいくタイプ。彼女たちにしてみれば、まわり(特にお金持ちの人々)は全部敵なのだった。

そうなると、物語は一見、善良な家族を襲う悲劇のようにもみえるのですが、じつは家族側にも問題はあって、悪気はないけど上から目線な人たちなのでした。本人たちはすごく親切なつもりでも、相手によっては負担だったり余計なお世話だったりということもあります。知らず知らずのうちに、他人を追いつめてしまうこともある。まさに、その典型がここに!

いやーな神父も出てきます。神父たるものそんなことでいいのか。人を救わずそこでダメ押ししてどうするよー。

微妙なズレがどんどんどんどん大きくなって、最後は大音響で不協和音がジャーーン!と鳴るような映画。非常にサスペンスフルでございますよ。

余談ですが、お屋敷の一家が夕食をとる場面で、「夕飯ムール貝だけ!?」とちょっとびっくりしたことを思い出しました。これは、奥さんが料理が苦手だからというのが真相です。家政婦ソフィーがいない晩のメニューは、パセリをかけたハムとサラダのみでした。ハムだけ出すんじゃなくて、パセリふってるよ〜!とこれも少々驚いた。

最後に、もうひとつ本作から学ぶ教訓があるとするなら、TVに夢中になりすぎるな、ということかもしれません。
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by rivarisaia | 2009-09-17 23:58 | 映画/洋画 | Comments(0)