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イニスフリー

今年のTIFFは自分でも予想外のスケジュールになってしまい(プレリザーブを忘れていろいろ撃沈した結果、予定が大幅に狂った)、アン・ホイもヤスミンも観られません…。別の機会に上映してください。で、代わりにまずこちらの映画から。
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イニスフリー(Innisfree)』監督:ホセ・ルイス・ゲリン

先日書いた『シルビアのいる街で』の監督が1990年に撮った作品。ジョン・フォードの『静かなる男』の舞台となった、アイルランドの小さな村"イニスフリー"(実際はコング村だと思う)をめぐるドキュメンタリーですが、それ以上はどうもうまく説明しがたい。

村人たちに『静かなる男』の撮影時の思い出話を聞いたりもするんですけど、よくある普通のドキュメンタリーではなく、森に残るケルトの伝説、大昔の英雄の歴史、アイルランドの悲しい過去、アメリカへの移民…といった話をはさみつつ、パブでの語らい、草競馬やダンスパーティ、学校やお城、のどかな自然という村の風景に『静かなる男』の印象的な場面を重ね合わせながら、現在の村人たちが『静かなる男』の場面をさりげなく再現したりする。そして、この映画でもそよそよと風が吹いていました。

映画を観たというよりも、1日ゆったりとこの村に旅行して美しい光景を堪能したような気分になりまして、なんとも不思議な映画でした。

この不思議な感覚は何かに似てる…と考えていて思い当たったのは、ゼーバルトの『土星の環』の読後感。とりとめもない事柄がひとつの情景へと紡がれていくところがちょっとだけ近いかなー。もっとも、ゼーバルトのほうは、風は吹いてなくて、ひっそりと静まりかえってる雰囲気ですけど。
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by rivarisaia | 2009-10-21 22:53 | 映画/洋画 | Comments(0)