ヘロドトスの『歴史』

先週あたりからなんだかカオスな出来事がいろいろあったんですけど、まあ、私自身がカオスだからな、と思うことにしています。そしてこの本もじつはかなりカオスです。ホメてます。

歴史』ヘロドトス著、松平千秋訳 岩波文庫

上・中・下の全3巻。ペルシア戦争、マラトンの戦い、そしてテルモピュライやサラミスの海戦など、ペルシア帝国とギリシア諸都市の争いを、各国に伝わる説話や風俗などの記述を豊富に盛り込みながら語った名著。


これは以前、コチラでも書きましたが、芝崎みゆきさんの『古代ギリシアがんちく図鑑』のおかげで読む気満々になった本。もう何度も読み返していますが、飽きない。

なぜ毎回楽しめるのかと言うと、もうね、ヘロドトスさん、エピソード詰め込みすぎ!私の脳には限界があり、いっぺんにいろんな国やいろんな人物名を出されても覚えきれないので、1度読んでしばらくすると、いとも簡単に内容ウロ覚え状態に。

そしてしょっちゅう脱線するけど、そのエピソードがおもしろすぎ! 途中で何の話してたんだっけ?と本筋を見失ったりすることもしょっちゅうですが、細かいことは気にせず読み進んじゃって大丈夫です。ヘロドトスさんの余談と語り口が愉快すぎるから。

しかも時折、「私には信じられないがこんなウワサもある」と小ネタを披露してくれたり、「私はその人物の名前をしっているが、ここには書かない」とか「それ以上のことははばかれるので、書かない」などと、ええーもったいぶらないで教えてよ!と読者をやきもきさせるのもお得意だ。

自分で実際に目にしたので確実であると言い切ってる情報と、人から聞いておもしろかったネタが混ざっているので、ときには「そりゃガセだね」という話も含まれているのですが、ヘロドトスさんはこのように記しています。
このようなエジプト人の話は、そのようなことが信じられる人はそのまま受け入れればよかろう。本書を通じて私のとっている建前は、それぞれの人の語るところを私の聞いたままに記すことにあるのである(二巻123)

ヘロドトスさんは、ある種のエンターテイナーだと思います。おもしろい話は伝えないと気が済まないタイプ。後世の読者が、けっこう分厚いのに飽きもせず何度読んでも楽める本ってすごいよね。ペルシアとギリシアだけじゃなくて、周囲の国々(エジプト、バビロン、スキュティア、メディアなど)についても微細に記してあるので、興味のある部分を拾い読みしても楽しいよ。
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Commented by fontanka at 2009-11-03 09:20 x
あー懐かしいですわ。ヘロドトス「歴史」
大学で歴史書のレポートを書くことになり、周囲は「中世の秋」とか選んだのに、わたしは「歴史」で行きました。
うろ覚えですが「神は○○をねたみたもうた」というセリフがあった気がします(間違ったらごめんなさい)

で、大学にあった参考文献なんですが、戦前の本で 紀元26xx年というすさまじい本だったんです。そのため、ヘロドトスってなんか自分としては「お笑い」の要素が入って、きちんと読みかえしていない本です。
Commented by rivarisaia at 2009-11-04 18:54
歴史書のレポートでヘロドトス!王道な感じですね。でもそんなヘロドトスはさまざまな出来事を網羅しているうえに「お笑い」要素もたっぷり入っているので、これでレポートを書くのはけっこう至難の技じゃないかと思います。

「神は○○をねたみたもうた」あったかなー。なにせ、情報量が多すぎて、私は読んだそばから忘れていくので、再読するときに気をつけておきますね!

戦前の本って、これまたすごそう。。。
by rivarisaia | 2009-11-02 19:44 | | Trackback | Comments(2)

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