ブラン・マントー通りの謎

ミステリーチャンネルでドラマ放映開始記念として、原作をご紹介。細かいあらすじには触れませんが、なかなかおもしろいのでおすすめ。

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ブラン・マントー通りの謎』ジャン=フランソワ・パロ著、吉田恒雄訳
ランダムハウス講談社

舞台は18世紀パリ。ルイ15世の時代です。シリーズ第1弾となる本書は、ブルターニュ出身のニコラ青年がパリにやってきて、警察総監の下で見習い警視として働きはじめ、事件を解決していく...というミステリー。

パリ到着早々、悪臭にびっくりし、道に迷い、挙げ句時計を盗まれるニコラは、やや頼りない若造ですが、正義感あふれる頭のいい青年でもあります。あとね、料理人や家政婦に気に入られるタイプ。

ニコラは、気分の浮き沈みがやや激しく、あれこれ妄想してはいちいち悩んでいるのでおもしろい。悶々と考え込みながら歩いていて、突然ハッと
「意味のない思索にずいぶんと時間をつぶしてしまった」

と後悔したりする。

カツラ蒐集が趣味の総監、頼りになる捜査官、死刑執行人のサンソン氏、痛風もちの元高等法院国王代訴官(ニコラの居候先の美食家の爺さん)など、脇役陣もなかなか個性的。

もうひとつ興味深いのは、当時のパリの風俗や食べ物の描写が生き生きと描かれているところ。以前コチラのエントリで紹介した『パリ職業づくし』でおなじみの物売りをはじめ、さまざまな職業の人々が登場します。移動便器屋なんてのも出てくるのよ!

TVドラマ版は、ニコラも脇役もイメージ通りで、原作の雰囲気をよく出してるなーと思いましたが、原作とは順番が逆なのね。原作の2作目がドラマの第1話になっていて、ニコラはしょっぱなから警視として活躍してました。ニコラの生い立ちはやらないのかな。それを入れると時間が足りなくなっちゃうもんね。あと、ドラマのニコラはそんなに悶々と悩んでません。

小説のほうは、第2弾『鉛を呑まされた男』まで刊行済み。第3弾までは翻訳が決まってるとあとがきにありましたが、シリーズとしてつづけて出してほしい〜。


●ニコラ警視シリーズ
第2巻『鉛を飲まされた男
第3巻『ロワイヤル通りの悪魔憑き
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Commented by fontanka at 2009-11-08 10:27 x
ミステリチャンネルご覧になっているんですね。
今ものすごく忙しいせいもあってちゃんとみてませんが、フランスものは敬遠しちゃうんです。
春巻さんの紹介文を読んでいたら、みてみようかしら・・・と思いました。
Commented by rivarisaia at 2009-11-08 23:36
これは、原作を先に読んでるほうがおもしろいのかも...。家人=原作未読の反応を見て、そんな気がしました。

難点は、脇役がいまひとつ区別つきにくいところです。見てるうちにわかってくるんでしょうけどねー。そんな私もミステリチャンネルのフランスものは比較的敬遠するたちです。なんでだろ。
by rivarisaia | 2009-11-06 23:56 | | Trackback | Comments(2)

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