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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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渇き(映画祭時タイトル:サースト〜渇き〜)

東京FILMeXのクロージング上映、チケット争奪戦に破れたわたくしですが、なんとまあ友人が当日券を取ってくれまして、鑑賞することができました。本当にありがとう!
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サースト〜渇き〜(Thirst/Bakjwi)』監督:パク・チャヌク

2010年2月に『渇き』という邦題にて日本公開が決定してますので、内容にはあまり触れずに感想はサラリといきます。まずはおおまかなあらすじ。
ある人体実験に参加した際の輸血がもとで、吸血鬼になってしまった神父(ソン・ガンホ)。ふとしたはずみで親友の妻(キム・オクビン)と関係を持ってしまうのだが…

吸血鬼とはいえ神父ですから、そこには激しい苦悩が生まれるわけです。人を殺さずになんとか食料(血液)をゲットしようとする、という非常に現実的な描写にちょっと感心いたしました。そうだよね、片っ端から殺すわけにもいくまい。現代は吸血鬼にとって生きにくい時代なのであった。

さらに神父は肉欲の罪にも悩まされる。で、その相手となる女性が曲者でして、ある意味では「純粋な聖職者が奔放な女性に振りまわされる恋愛物語」という風にも受け取れます。監督はゾラの『テレーズ・ラカン』を参考にしたとおっしゃっておりました。納得!

官能的なシーンあり、痛いシーンあり、笑いあり、と盛りだくさんで、スリムなソン・ガンホがやはりイイ味出してます。ヒロインのキム・オクビンも体当たり演技ですが、ラカン夫人にあたるキム・オクビンのお姑さんも凄い...。

吸血鬼神父の欲望と苦悩と贖罪の日々。パク・チャヌクの吸血鬼は西洋の吸血鬼ものとはひと味もふた味も違う。なんといっても、ソン・ガンホだし!
by rivarisaia | 2009-11-30 23:59 | 映画/香港・アジア | Trackback | Comments(0)