ブルターニュ幻想民話集

いろいろと立て込み中。映画館に行くタイミングがどうも合わない代わりに、読書量が増えつつあります(Kindleも買っちゃったしね!)。最近、寝る前に少しずつ読んでた本がこちら。
b0087556_23362713.jpg

ブルターニュ幻想民話集』アナトール・ル・ブラーズ編 見目 誠訳 国書刊行会

帯の文句が「ブルターニュ地方で語り継がれた ひたひたと恐ろしい全97話 フランス版『遠野物語』」。

私の場合、寝る前に長編小説を読み始めちゃうと、かえって目が冴えてしまい、ハッと気づいたら最後まで読んでしまって睡眠時間が大幅削減ということになりがちなので、就寝前は短編が好ましいのです。しかし、就寝前に「ひたひたと恐ろしい話」が好ましいかどうかは疑問もありますが。

ま、でも眠れなくなるほど恐い話はないんですが、全篇にわたって「死」が漂ってる。いや、漂っているどころか「死」に満ち満ちている。さらに話の展開が摩訶不思議で、結末がどうなるのか読めないものが多いんですよね。おもしろい!

ほとんどの話において、祝福されて天国に行ける死はハッピーエンド扱いだ。

たとえば、神父様に助けを求めた主人公が、これこれこういうことをせよ、と神父に命じられる話の場合ですよ、ふつうは勇気を出してその通りのことをした主人公が、最終的には悪の手から救われてジ・エンドじゃないですか。

ブルターニュは違うよ。主人公は試練に耐えたり、問題を解決して、最後は死ぬ。「主人公は死にました。しかし、これで彼・彼女は救われたのだった。めでたしめでたし」という流れなんですよね。死ぬとか生きるとかってことよりも、魂が救済されることがいちばんの幸せなのね。

「ブルターニュ伝説の起源の大半は、当然のことながら隣国アイルランドである」と本書のあとがきにもあるように、ブルターニュ地方はケルト文化圏に属するので、フランス中央の文化とはだいぶ雰囲気が違う。当然カトリック色も強いのですが、そこにケルト風味が加わっているので、かなり魔術めいた雰囲気となっています。

死神のアンクーもケルトな雰囲気を出すのに一役かってますが、それよりも「サン=イーヴ=ドゥ=ラ=ヴェリテ」ですよ。これは「過ちを犯したものに罪を与える聖人」で、サン=イーヴに正しく裁いてもらうための謎めいた願掛け儀式なんていうのも本書には出てきます。うむむ。誰なんだ。こんど調べてみよう。

余談ですが、本書はカバーを外した本体表紙のデザインがキレイだよ! 写真を載せておきましょう。
b0087556_23363438.jpg

淡い青色で緻密な絵が印刷されておりますが、どの絵にも骸骨がいっぱい!


オマケ:サン・イーヴってだれ?
[PR]
トラックバックURL : http://springroll.exblog.jp/tb/12488440
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ゆずきり at 2009-12-13 02:39 x
ケルトな話題にとびつく私。
これもおもしろそうですね!そう、アイルランド関係のものって死の雰囲気が濃厚なんですよね。でも死は生とセットですから。
あと、聖人てのも興味あり。いろいろ役割があるみたいですね。そういうのを網羅した本があったら読みたいなあって思います。
ところで、もしかして、kindleって、ねころがって読むのに疲れなくていい・・のでは?


Commented by rivarisaia at 2009-12-14 01:54
ブルターニュとアイルランドがつながってくるとは思いませんでした。ケルトおもしろい。けど奥が深すぎて、ぜーんぜん詳しくない私は、なんかこうケルト文化大百科のような本でも図書館で探してみようかしらね、と思う今日この頃。

イタリアで有名な聖人だったら、まだもうちょっとわかるんだけどなー。

ところで、Kindleは寝転がって読むのには楽ちんでよいですよー。
by rivarisaia | 2009-12-12 23:58 | | Trackback | Comments(2)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
プロフィールを見る