「ほっ」と。キャンペーン

鬼畜

じつは今年の正月は、WOWOWが地味にすごいことになっていまして、松本清張生誕100周年記念特集はいいんだけど、正月早々『砂の器』や『鬼畜』。三が日を泣いて過ごせと?という鬼畜なプログラム。といいながら録画しましたが。

ほとぼりもさめた本日はまずこちら。
b0087556_20352252.jpg

鬼畜』監督:野村芳太郎

私が以前に本作を観たのは小学生のときにTVで1度っきり。小学生が見るべき映画かどうかは疑問ですが、一度しか観てないのにかなり細かく内容を覚えてたのでそうとう強烈だったとみた。

本作での三大鬼畜は、気弱なダメ親父・緒形拳、拳の愛人で子どもを置き去りにする無責任女・小川真由美、子どもを虐待する拳の妻・岩下志麻です。

子どものころは、なんといっても志麻が恐怖でした。真由美は序盤でいなくなっちゃうし、拳は「申し訳ない」という気持ちが感じられるせいか、あるいは最後に詫びるシーンのおかげでまだ許せる気になるのか、とにかくダントツに鬼畜だと思ったのは志麻。

しかし大人になってみると、3人とも同じくらい鬼畜で志麻だけが突出してるわけでもないよね。拳も悪いし、真由美も酷い。そもそも志麻に愛人の子どもを育てさせようっていうのが間違ってます。

それぞれの「仕方ない」事情はじゅうぶんわかるんだけど、そんな大人の事情は子どもにはまったく関係のないことなのだった。

さらに今回、こいつも鬼畜じゃないか?と思ったのは、拳が経営する印刷工場で働く蟹江敬三。蟹江は何が起きているのか知ってるけど、何もしない人。工場を辞めると申し出たのだって、面倒に巻き込まれたくないからだとみた。どうせ辞める気なら、だれかに相談したらいいのに、児童相談所に助けを求めるとかさ。そもそも、この映画に出てくる人々にはそういう発想はなく、それはある意味、行政のサービスがそれを本当に必要としている人には届かない、という構図を描いているとも考えられます。

また本作では、子どもが何を考えてるのかよくわかんない存在にみえるのもうまい。長男なんて始終仏頂面な子どもで、決して天使のような雰囲気ではなく、そこがいい。

だからこそ「この人はお父さんじゃないよ!知らないおじさんだよ!」の場面では号泣。小さい子にそんな気を使わせるなよ...。東京タワーに置き去りにされた良子がどうなってしまったのか気になります。
[PR]
Commented by 森と海 at 2010-02-09 21:57 x
鬼畜かあ。昭和のかほりがしますねえ。見たのも昭和かなあ。
ん、でも、児童虐待による死はむしろ増えているという今上地獄。
Commented by rivarisaia at 2010-02-12 22:52
『鬼畜』の背景にあるものは限りなく昭和なんですが、いまはそれよりもまだマシな状況だと思えるのに、児童虐待自体は増えているのが切ない。行政のサービスが届かない状況っていうのはあまり変わってないのかなあ。
Commented by 森と海 at 2010-02-12 23:44 x
うんにゃ違う。教育行政の歪み。
Commented by rivarisaia at 2010-02-13 17:42
教育行政かー!
by rivarisaia | 2010-02-09 20:42 | 映画/日本 | Comments(4)