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砂の器

昭和のかほり、松本清張第2弾。ドラマ化もされてますが、映画版がいちばんいいと思います。それはひとえに丹波哲郎と加藤嘉のおかげ。

砂の器』監督:野村芳太郎

本題に入る前に余談ですが、丹波哲郎が自腹切って出張に行くところが妙に現実味をおびていて、ああ…と遠い目になった我が家です。そういうことってありますよねえ。

さて。

昔から病に対する差別や偏見というのは消えず、病人を隔離することで人々は安心する。空気感染するような伝染病であれば、隔離して治療するのは正しいんですけど、恐怖心から不必要に騒ぎ立てることも多いし(*)、そもそも隔離する必要がないのに、これまた恐怖心から偏見が生まれてとんでもない差別が生じたりします。いままでもずっとそうだったし、きっとこれからも変わらないことでしょう。

*たとえば新型インフルエンザの感染者第1号を発見しようとするスクープ合戦とか最悪だと思いました。発熱により感染が疑われた人を写真に撮って報道することに何の意味が?(しかも後にその人は感染していないことが判明した)あとね、感染に対して、シロとかクロ、という表現を使うのもやめたほうがいい。恐怖心だけあおっても、予防対策にはならないんだよ。


本作は、そうした社会が生んだ悲劇であり、今後も病名は違えど同様の悲劇が生まれないとは言い切れませんよね。ああ。

昔観たときは、犯人に対してひどいよと思ったけど、今回はちょっと考えが変わりました。緒方拳は正義感のあるいい人だったけど、そんな彼ですら、長い間迫害されてきた人の気持ちをじゅうぶんに理解してるとは言えなかったのかもしれない。そりゃ父親に会いたくないわけないんだよな。ただもう音楽のなかでしか会えなくなっちゃっただけで。

これまた、加藤嘉の「こんな人知らねえ!」で涙腺決壊する映画で、『鬼畜』もそうでしたが、知ってるのに「知らない」と言わせることに大きな大きな意味がある映画ってけっこうあるような気がしますが、これは、そもそも父親を加藤嘉が演じてる時点でずるい。泣けと言ってるようなもんじゃないか、とわかっちゃいるけど、野村芳太郎の術中に毎回はまってしまうのであった。
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Commented at 2010-02-12 23:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2010-02-13 17:42
覚えてますよ。頭で理解してても恐怖心を克服するのはそう簡単ではないのだなあと思います。差別はいけないと口で言うのは簡単なんですけどね。
by rivarisaia | 2010-02-12 22:48 | 映画/日本 | Comments(2)