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新宿インシデント

先日書いた『野良犬たちの掟』の続きみたいなものですが、どうにも惜しいといえば、これもそうだった。
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新宿インシデント(新宿事件)』監督:イー・トンシン/爾冬陞

ジャッキー・チェン演じる密入国した中国人が歌舞伎町を舞台に裏社会でのしあがっていくというあらすじで、日本に渡ってから音信不通になっていた恋人(シュー・ジンレイ/徐静蕾)がヤクザの幹部の奥さんになってたという設定も悪くはないと思うんですよ。ただし、その幹部である加藤雅也が「俺は人種差別などしない」と言う時点で死亡フラグが立ってしまうという、わかりやすい展開もありますが。

私はこの映画の前半の雰囲気はけっこう好きなんですよ。一軒家に皆でひしめきあって、ちんけな仕事をしながらもわいわいとたくましく暮らしているところが。移民同士でも出身地によって派閥があったり、華僑との間でモメたり、したたかに生きていくところはよかったのに、後半になればなるほどなんとも微妙な展開になっていったのは残念。

後半がもっとよければ、「あのころは貧しかったけどよかったなあ」という前半との対比が生きてきてしんみりした気分になったと思うんですが、ごめん、「ジャッキーは流されていっちゃったね…」としか思わなかったのよ。

やはりジャッキーはどうしても悪人になれないというか、善人すぎるのかも。とことんのしあがっていくというわけでもなかったのは別にいいとしても、最後の展開は急に現実味が遠のくというか、あんまりにも唐突で乱暴だと思いました(そりゃそうとシュー・ジンレイと子どもはあのあとどうなったのか)。

そういや裏社会デビューを遂げた彦祖のファッション(およびメイク)も、ビジュアル系バンドにでも入ったのか?というセンスであんまりでしたね…。途中までいい役まわりだったのにね…。

本作を観て、『黒社会(エレクション)』の1&2は本当によくできてるなあと思った次第です。トーさんとくらべるな、という話かもしれませんが、でもそれくらいとことんやってほしかったなあ。
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Commented by ゆずきり at 2010-04-21 07:32 x
これはたしかに後半が厳しかったですね。彦祖のキャラクターは、ファッションはともかく、一貫していたし、弱くて(という言葉が適切かわからないが)潰されてしまった悲劇、というのがわかりやすいのだけど。
ジャッキーは、どうしたいのか今ひとつわからなかったです。
でも前半は、さすがイー・トンシン監督、よく調べてありましたね。
林雪やロー・ワイコンたちが集団で集まっているところに日本人の大家がきて文句言うとこなんか、ああ、そういう話きいたな・・と思いました。
「黒社会」は私も最近見直してみて、ほんとうに凄みのある力作だと思いました。トー監督のこめた思いがわかります。
Commented by ゆずきり at 2010-04-21 07:34 x
あいや、「集団で集まってる」って・・・。下宿でのシーンです。ゴミを分別しないとか言ってましたね>日本人大家さん。
Commented by rivarisaia at 2010-04-21 23:31
前半はすごくよかっただけに残念。ジャッキーの立場が後半は中途半端で、ずるずると悪の世界に堕ちていったほうがよかったんじゃないかと思いました。彦祖はよかったですけどねー(あんなファッションにしなくてもよかったのに!)

ゴミを分別しない話とか、わいわいとうるさいとか、リアル。
でもその頃がいちばん楽しそうなんだよなー。
by rivarisaia | 2010-04-15 19:58 | 映画/香港・アジア | Comments(3)