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プロテージ/偽りの絆

彦祖さん結婚おめでとう!ということで、先日の『新宿インシデント』はあんまりな感想でしたので、同じ監督の作品で彦祖がとてもよかった映画を。
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プロテージ/偽りの絆(門徒)』監督:イー・トンシン/爾冬陞

スタイリッシュな雰囲気のDVDジャケとは全然違う、重く、考えさせられる社会派映画。テーマは麻薬です。麻薬撲滅映画ともいえる。

香港のヘロイン市場をとりしきるボス(アンディ・ラウ/劉徳華)は、自分や家族の病気の治療という理由から事業の引退を考えており、腹心の部下リッキー(ダニエル・ウー/呉彦祖)に跡を継がせようとする。しかし、リッキーは潜入麻薬捜査官だった…。


潜入捜査官という正体がバレるのか、バレないのかというハラハラ感も保ちながらも、麻薬の売人vs警官の息もつかせぬ駆け引きというありがちな話におさめず、麻薬を売る人、つくる人、買う人というそれぞれの立場をえぐるように描き出していて、とくに麻薬中毒者の描写は並のホラーよりも怖いです。私は恐ろしさにドン引きしました。

彦祖はアパートの向かいの部屋に住む貧しい母と幼い娘と親しくなるのですが、この母親(チャン・チェンチュー/張静初)は麻薬中毒者であり、彼女の別れた夫(ルイス・クー/古天樂)もまたジャンキー。ルイス・クーなんて本当にイッちゃってるし、禁断症状に苦しみ、やめたくてもやめられないチャン・チェンチューは、まさに「人間やめますか」という壮絶な状態だ。

「ヤク中は薬を手に入れるために平気で嘘をつくから、あいつらの言うことなど信じるな」というアンディ・ラウの台詞が後になってグサリと実感できる場面があり、細かい伏線の貼り方とその活かし方もうまいなーと背筋が凍えながら思いました。

伏線といえば、「うちの部屋にネズミが出るのよ」という台詞が、あんな形で活かされるのも恐ろしすぎる。何もそこまでしなくても…と顔がひきつったほどですよ。

潜入捜査官として麻薬を売る側に立たなくてはならない状況で、中毒者である隣人の境遇を目の当たりにして葛藤する彦祖。人はなぜ麻薬に手を出してしまうのか。きっかけはちょっとした虚無感かもしれないというラストに、私も虚無感にさいなまれそうになってしまったのですが、あのあと彦祖は救われたのかなあ。そこにいる小さな存在に救われてほしい。
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Commented by まるま at 2010-04-21 10:05 x
 春巻さんに唱和して、彦祖さん、結婚おめでとう! 老公なのね(しみじみ)……。

 見ているときは、手首やネズミに目が行ってしまいましたが、伏線がとても効いていましたよね。ラストも後からじわじわと効いてくるボディブローみたいでした。

 昨年、劇場でこの作品を見終わって外に出たら、別のイベントで到着されたエースの錠に遭遇し、ををを、と驚きました。
Commented by rivarisaia at 2010-04-21 23:35
南アフリカで現地の人の前でっていうのが、これまたいいですね。

イー・トンシンは手首を落とす表現が好きなのでしょうか。新宿事件では彦祖さんが犠牲に...。本作でも、ひいいい!そこまでしなくても!と思ったシーンその2でした。

本作はアニタ・ユンのおばさん化も別の意味でショック。最初誰かと思っちゃいましたよ。

エースの錠うらやましい!
by rivarisaia | 2010-04-19 01:49 | 映画/香港・アジア | Comments(2)