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迷宮のヴェニス

先日『赤い影』を紹介したついでに、ヴェネツィア舞台つながりで、こちらの作品を。昨年スキー事故で亡くなったナターシャ・リチャードソン(リーアム・ニーソンの奥様)が出ています。
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迷宮のヴェニス(The Comfort of Strangers)』監督:ポール・シュレイダー

原作はイアン・マキューアンの『異邦人たちの慰め』。迷宮のようなヴェネツィアを舞台にした迷宮入りの物語だからって、邦題が『迷宮のヴェニス』ってそのまんまですね。ま、いいか。

ヴェネツィアを旅行中の若いカップル(ルパート・エヴェレットとナターシャ・リチャードソン)。ふたりの間は微妙にすれ違っていて、かすかにほころびが見えつつある。ある日ふたりは、謎めいた夫婦(クリストファー・ウォーケンとヘレン・ミレン)と知り合いになるのだが…という話。

教訓:旅先で怪しい人についていってはいけません

小説のほうは、なにせイアン・マキューアンなので、いつものようにどす黒いもやもやした染みがじわじわとイヤーな感じに広がってとり返しがつかなくなる感じ(ホメてます!)を美しい文章で綴っていて、そこがなんとも居心地が悪くてたまらなくよいのですが、映画版にはそうした居心地の悪さはありません。が、ヴェネツィアの運河がどろりと淀んでいるかのような、イヤーな感じがすることには変わりない。

白いスーツのクリストファー・ウォーケンが見た目にも怪しすぎて、私だったらついて行かないけどね。まあでもルパート・エヴェレットだから仕方ないよね…と何故か納得できるキャスティング。

惜しむらくはラストでしょうか。「迷宮」という点では原作のほうが断然迷宮なんだよなあ。ウォーケンとミレンをそこで何故映す!と思ってしまった。あのふたりは煙のように消えてしまわないとだめです。そして「何だったんだ、アイツらは一体…」とみなで呆然とする、というのがヴェネツィアにはぴったりだったのに残念。
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Commented by ゆずきり at 2010-06-01 21:11 x
ウオーケンとヘレンミレン様!ああもうそれだけで怪しい、というか、何かある、でもなんだかついていきたくなるのもわかります。
ルパートエヴェレットって、いつも顔を忘れちゃうんですよね。
とりあえず原作を先読もうかしら。
人物のイメージが具体的だとおもしろく読めるから、脳内でウオーケンとヘレンミレン様を動かしながら!
Commented by rivarisaia at 2010-06-01 22:56
このふたりが登場するだけでかなり怪しいですよねえ。危険な香りもぷんぷんしてるのに、やっぱり好奇心に負けてついていってしまうのは仕方ないといえば仕方ないのかもー。

ルパート・エヴェレットはまるでいつも通りというか、『アナザーカントリー』からぜんぜん変わらない。そしてなぜか常に印象が薄い。ウォーケンと一緒に出ているせいで、さらに薄まってる気もします。

原作のほうが不気味な感じでおすすめですよ。映画は少し明るい雰囲気でまったりしてました。
by rivarisaia | 2010-05-30 16:45 | 映画/洋画 | Comments(2)