「ほっ」と。キャンペーン

Jの悲劇

先日の『迷宮のヴェニス』つながりでイアン・マキューアンの小説の映画版。
b0087556_11215017.jpg

Jの悲劇(Enduring Love)』監督:ロジャー・ミッシェル

マキューアン原作の映画化といえば、感想書いてない『つぐない』がいまのところいちばんいいと思うけど、本作の出だしはすばらしいですよ。原作『愛の続き』の印象的な気球のシーンが見事に映像化されておりました。青空の下に広がる緑の草原、そこに現れる真っ赤な気球、そして起こる悲劇。その後も「赤い色」が日常生活に入り込んでくる不吉なものを象徴するかのように何気なく現れる。

恋人クレア(サマンサ・モートン)との楽しいピクニックの最中に遭遇した事故のせいで、良心の呵責に苛まれる大学教授のジョー(ダニエル・クレイグ)。やがてジョーは、同じ事故の体験を共有したジェッド(リス・エヴァンス)につきまとわれるようになる、という話。

恋愛なんてものは化学反応みたいなもんですよ、理屈で割り切れちゃうんですよ、と主張していたジョーは、愛って運命でしょ!と激しい思い込みで行動するジェッドに対して恐怖を感じる。いや、ジョーじゃなくても、これはかなり怖い。リス・エヴァンス恐ろしいよ…。

気球のシーンにインパクトがありすぎたせいか、後半は考えすぎのジョーが悶々としている割には意外とダメダメだったりするあたりに、気の毒だとは思うけどハッキリ言ってイラッとしました。どうもね、見てる限りジョーはひとりで考え込むタイプで、まわりの人とちゃんと話をしてないんだよね。いや…でもいちばん気の毒なのはクレアだな…。

個人的には脇役でビル・ナイが出ていたのが嬉しい。しかも大人ですてきなおじさんという役柄だった。あと、『パフューム』のベン・ウィショーが学生役で登場します。脇役陣がもうあと少しうまく絡んでくるともっとよかったかも。私は冒頭の気球シーンでかなり満足しちゃったけど。
[PR]
Commented by fontanka at 2010-06-03 20:38 x
マキューアン(つい、マキュアンと呼んでしまう自分が)は、やっぱり合わないとある時自覚していらいとんとご無沙汰しています。

昔ミステリマガジンで、短編を読んで、すごいな(その時はマキューアンの名前は知らず)と思っていたんで、後に読んでみて、果てしなく挫折。

いや、すごいのは分かるけどさ。

話をぶったぎってしまいますが、春巻さんはギルバート・アデアの「ラブ アンド デス」はいかがでしょう?
私、あれとっても好きなんですが、誰も、評価してくれなくて。
Commented by rivarisaia at 2010-06-03 21:11
マキューアンをついマキュアンと呼んでしまう気持ちわかる(笑)私もいつも「どっちだっけ…」と悩みます。

マキューアンは乾いてるのにじめっとしてるからなあ。でも初期の頃からちょっと雰囲気が変わりましたよね。根底にあるものは変わってないけど。

ギルバート・アデアは『閉じた本』と『ドリーマーズ』がいまひとつだったので(おもしろく読んだには読んだんですけど)、それ以外を読んでないんですよねー。『ラブ アンド デス』今度読んでみます!
Commented by まるま at 2010-06-04 06:50 x
いや、ほんと、リス・エヴァンスの演技は素晴らしいです。ビル・ナイもツボでした。出だしでお腹いっぱいになった感じもあります……。
Commented by rivarisaia at 2010-06-04 22:07
リス・エヴァンス、よかったですよねえ。しかし、出だしの映像美にインパクトがありすぎて、後半がちょっとゆるい感じに見えちゃうのは惜しいですよね。
by rivarisaia | 2010-06-03 11:35 | 映画/洋画 | Comments(4)