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日本のいちばん長い日

終戦記念日といえばこの映画。去年もアップし忘れたから今年こそ!
日本人必見の映画だと思うし、こういっちゃなんだが、2時間半はあっという間のものすごいテンションでひっぱる非常にスリリングな展開です。

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日本のいちばん長い日』監督:岡本喜八

日本政府がポツダム宣言受諾の勧告を黙殺していたら、海外では「黙殺」を「無視」あるいは「拒否」と翻訳されて報道されてしまい、その挙げ句に広島と長崎に原爆を落とされ、さらには日ソ中立条約を破ってソ連が参戦してきた。

このままいくと本土決戦は避けられない。ポツダム宣言受諾か、本土決戦覚悟の戦争継続か、議論がまっぷたつに分かれるなか、1945年8月9日深夜、鈴木首相は天皇の御聖断を仰ぐべく御前会議を開く。ここで天皇自ら受諾を了解し、終戦へ向けて動き出すも、またもや事態は紛糾。

受諾に関する日本からの申し入れに対する回答の中に「天皇および日本国政府は連合国司令官に"subject to"する」という一文があり、"subject to"を「制限の下に置かれる」と解釈した外務省と「隷属する」と解釈した軍部が対立したのだった。

そこで8月14日、ふたたび御前会議が開かれる。天皇は「反対の意見もよく聞いたが、これ以上戦争を続けることは無理だと考える」と終戦の意を表明した。


ここまでが本作の前フリ。このプロローグの丁々発止も目が離せないけど、本筋となる「8月14日正午の御聖断から翌15日の玉音放送まで」の激動の24時間が凄まじい。

一度はじめてしまったものを終わらせることの難しさ。「生きて虜囚の辱めを受けず」と戦ってきたのに、「勝つ、勝つ」って言ってきたのに、いまさら無条件降伏なんてできるかよ、国が消滅しちゃうかもしれないんだよ、という言い分もわからないでもない。でももう続けるのは無理なんだよ。勇気をもって負けようじゃないか。

閣僚が終戦手続きに向けて奔走するなか、納得のいかない陸軍の一部の青年将校たちは戦争を続けるためにクーデターを起こそうとする(宮城事件)。近衛師団長を暗殺し、宮城を占拠し、玉音放送を阻止しようと必死に試みる。反乱兵士は放送会館も占領するが、決起声明を放送させろという彼らの要求をNHK職員は突っぱねる。首相官邸も襲撃され火が放たれる。

14日夜、玉音放送録音中にも、児玉基地からは特攻機が飛び立っていく。

緊迫感にみちた怒濤の24時間。教科書には「日本はポツダム宣言を受諾し、8月15日正午に天皇のラジオ放送で戦争終結が国民に伝えられました」と1文で書かれる出来事の背後で、こんなことが起きていたなんて、この映画を観るまで私は知らなかった。この映画、高校の歴史の授業で見せたらいいのになあ。

余談ですが、鈴木貫太郎首相ってずいぶん肝が座ってる人だなと思っていたら、二・二六事件の体験者(襲撃されたが助かっている)だった。Wikipediaの数々のエピソードもすごい…。
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Commented by らら at 2010-08-15 21:56 x
三船演じた阿南惟幾の切腹、介錯を拒んで長時間苦しみながら死んだと知って絶句しました。何事も始めることよりも終わらせることの方に勇気がいるなぁ…と改めて思います。
Commented by sei at 2010-08-16 20:12 x
「日本はポツダム宣言を受諾し、8月15日正午に天皇のラジオ放送で戦争終結が国民に伝えられました」の一文で育ちました。観なきゃですね。
Commented by ゆずきり at 2010-08-16 20:15 x
これも見なきゃと思いつつ見ていない映画のひとつ。
ウイキペディアにあるエピソードからの印象だと、笠智衆はちょっとイメージ違うかな・・・松方弘樹という配役には驚愕しましたが。

二二六のときは、奥さんがほんとにえらかったとおもいます。
なかなかそんなこと言えないですよ!
Commented by rivarisaia at 2010-08-17 22:51
>ららさん
阿南惟幾の終戦時の真意は不明とはいえ、陸軍大臣として冷静に物事を見据えていた人だったのではないかなあという気がします。別の人だったら軍が暴走していたかも。それだけに切腹場面はいたたまれない気持ちになりました。物事を終わらせるというのは大変なことだよ。
Commented at 2010-08-17 22:52 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2010-08-17 23:24
>seiさん
これは是非とも観てほしい1本ですよ。宮城事件の顛末にもひやひやしますが、会議の進行状況やかけひき、上層部の決断待ちに左右される下々のお役人の姿などもとても興味深いです。
Commented by rivarisaia at 2010-08-17 23:29
>ゆずきりさん
Wikipediaから先にみると笠智衆と違う印象ですが、映画では飄々としているところが合っている気がしました。西村晃もいいかもしれないけど、松方弘樹は…。

奥さまはすばらしいですよね。ふつうは動揺して腰抜けると思うけど、気丈な人というのはこういう人をいうのか。
Commented by rivarisaia at 2010-08-17 23:31
>鍵コメントさん

ああ、そうなんですね。それは複雑な心境になりますよね...。
by rivarisaia | 2010-08-15 20:10 | 映画/日本 | Comments(8)