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家政婦ラケルの反乱

サンダンス映画祭での評判を聞いて、観たくて仕方なかったチリの映画。日本では上映されないかと思っていたけど、ラテンビートで上映してくれました。うれしい!

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家政婦ラケルの反乱(La Nana)』監督:セバスティアン・シルバ

英語のタイトルが『The Maid』だったので、大仰な邦題にびっくり。まあいいか。

バルデス家に20年以上も住み込みで働いているメイドのラケル。無愛想だけど家族の一員としてがんばってきた。しかしある日、最近どうも体調がよくない彼女のために、奥さまが新しい助っ人のメイドを雇うことに。ところがラケルは新しいメイドにあれこれといやがらせをして、追い出してしまう…


本作は、かなりいい映画だった。

20年以上も住み込みで働いてきたラケルにとって、自分の世界はバルデス家の中にしか存在しない。当然、恋人もいないし、友だちもいない。バルデス家の人々はラケルにとって家族も同然とはいえ、家政婦と雇い主という間柄、どうしても一線を引いてしまい、ラケルは非常に孤独な存在なのだった。

新たな家政婦が来るということは、彼女が自分よりも有能で、家族の人気者になってしまう可能性=危険性があり、そうなるとラケルのたったひとつの世界が崩壊してしまう。自分の居場所を死守するために、ラケルはひたすら突き進む。

ライバル追い出しに成功してきたラケルも、ついに過労で倒れてしまう。そこへ新たな家政婦ルーシーがやってくるのだが、ルーシーはこれまでの家政婦とはまったく違っていた。

ルーシーのおかげで徐々に心を開いていくラケル。終始仏頂面だったラケルの表情がだんだんほぐれていって、笑顔を見せるようになっていく過程がすばらしい。

バルデス家の人々との距離も縮まって、自分の本当の家族への想いも受け入れることができたラケル。彼女の世界は相変わらずバルデス家が中心だけど、今までよりも少し広がっていくんじゃないかな、と思わせるラスト。

そういえば、ルーシーという名前の語源は「光」を意味している。まさにルーシーはラケルの人生に光を与えた人だった。
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by rivarisaia | 2010-09-24 22:12 | 映画/洋画 | Comments(0)