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アイ・アム・レジェンドは今更ながら納得いかない

さて先日は前フリでした。ほとぼりもすっかり冷めた今なら盛大にネタバレしても誰も何も言うまい。

ということで、公開時に私が悶々として頭を抱えるハメになった「俺伝説」映画の、当時は書きたくても書けなかった今更ながらのグチ。
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アイ・アム・レジェンド(I am Legend)』監督:フランシス・ローレンス

リチャード・マシスンの原作はなかなか考えさせられる小説でした。前回書いた、最初の映画化『地球最後の男』も地味ながら私は好きです。しかし2度目の映画化「オメガマン」はなかったことにしておきたい。オメガマンがいまひとつだったので、ウィル・スミスで仕切り直したのが3度目の映画化の本作だと期待したんですよねー。公開前は。

謎のウイルスによって人類がゾンビ化した世界。
誰もいない荒廃したNYの光景には感心したし、犬もすばらしかったですよ。
そう、途中まではよい。
神の啓示を受けたとかいう母子が登場するまではね!

そうだね、神はいるだろうよ。しかしキテレツ女に、とっておきのベーコンを勝手に食われたうえに、キラキラした目で「神はいるの!」と迫られたら、私でもドン引きします。おまけに「生存者もいるのよ、極寒のバーモントに。なぜなら寒さでウイルスは死滅するからね」ときたもんだ。へえ、いるんだ生存者が。しかもバーモントかよ。

じゃあアラスカにもシベリアにもいるだろうよ、わんさかと生存者がサ!

それじゃあ地球最後の男じゃないよ…。(当時の宣伝コピーに「地球最後の男」って書いてあったのを私は忘れない)

人類のために、自分が開発した血清を母子に託し、自らを犠牲にしたウィル・スミス。この時点で私はすでにどうでもいい気分になってましたが、本当に生存者がわんさかいた!という、まさに信じる者が救われるというダメ押しには仰天。山田君、座布団ぜんぶもってちゃいなさい!。

原作と最初の映画化では「俺が伝説だったのか…」と主人公に悟らせ、価値観をひっくりかえすのに対して、本作ときたら「彼こそ伝説になったのよ!」と盲信女に語らせるというオチ。座布団投げつけてもいいですか。

ええ、原作と映画は別物なのは重々承知しておりますし、以前もココで、180度ラスト大改変の『リトル・マーメイド』はOKだと書きました。

しかし、なぜか本作に限っては、まるで、音楽会だと思ったら新興宗教の勧誘会だった、講演会だと思ったら自己啓発セミナーだった、みたいな「だまされた感」。そういう経験は私にはないですけどね!

どうして納得いかないのか。じっくり考えたところ、さもアメリカのバイブルベルトあたりに生息する熱狂的なキリスト教原理主義が大喜びしそうな結末がどうにも気に食わないというのが原因とみた。こんなオチなら映画化しなくてもよかったのにー。

それを考えると、『ミスト』は、「盲信的な人って、はたから見ると迷惑だよねえ!」と堂々と言ってくれてるところが、やっぱりいいですね!
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Commented by 森と海 at 2010-09-29 19:36 x
そもそも、ウィル・スミスが主演する映画にナニ期待してるんですかw。
彼がホン読んで出演を決めた作品ですよ。
ウサン臭いか、セッキョ臭いか、どちらかです。
Commented by iio at 2010-09-30 02:07 x
うはは! ホントにこの映画のオチ、スゴかったですよねー。古典とされる原作のいちばんいいところを捨てて、わざわざつまらないオチにしてしまう謎。無人となった昼間のニューヨークで、ビルの中で日の当たらないところにゾンビがワシャワシャ突っ立ってスタンバイしてる絵とかは最高だったんですけどね(笑)。
Commented by とむ at 2010-09-30 09:34 x
学生の頃「ある日どこかで」を観て、キングの「死の舞踏」のエピソードを読んでから
大のマシスン好きなくせに、なぜかこの原作に関しては最近まで読んでませんでした。
(個人的には「地獄の家」が原作、映画とも傑作だと思います)
だからいずれの映画化も観ておりません。怖いんですよ。

原作では近所の吸血鬼になったおっさんの最後が哀れで、好き。

次回のマシスン映画は「四角い墓場 Real Steel」(2011)ですね。
ヒュー・ジャックマンか…。
Commented by rivarisaia at 2010-10-01 21:40
>森と海さん、
だって、あの母子が登場するまでは「もしかすると…」とほのかな期待を抱いちゃったんですもの! しかし、やはりウィル・スミスはウィル・スミスなのだった。ああ。
Commented by rivarisaia at 2010-10-01 21:42
>iioさん
そう、あの日の当たらないところにワシャワシャシーンは最高でしたし、ゾンビ化した犬を殺すシーンに涙したのに、あのオチはあんまりですー!そのまま映画化したら傑作になってたかもしれないのに、なんと勿体ないことを…。
Commented by rivarisaia at 2010-10-01 21:49
>とむさん
マシスンは全部読んでないのですが、「地獄の家」はいいですよね。お屋敷ホラーとして映画も好きです。改めてもう1回観たい。

そういえばマシスン映画化といえば映画はいろいろな意味でおそろして観てないけど『運命のボタン』もそうですね。あれも原作はよいのに、短編を無理矢理映画化して失敗してる気配濃厚...。『四角い墓場』はどうなんでしょうね。
by rivarisaia | 2010-09-29 18:40 | 映画/洋画 | Comments(6)