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刑事マルティン・ベック

先日、小説版のマルティン・ベックの話をしたついでに、映画版も。

これはマルティン・ベックの第7作『唾棄すべき男』を映画化したスウェーデンの作品。後半はかなりハラハラします。

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刑事マルティン・ベック(Mannen på taket)』監督:ボー・ウィデルベルイ

入院中の警部が銃剣で惨殺されるという事件が発生。さっそくマルティン・ベックらは捜査を開始するが、その警部が悪徳刑事だったことがわかる。さらにその刑事のせいで、ある警官の妻が死んでしまったという事実が発覚し…


原作にかなり忠実。淡々と進んでいくストーリーはもちろん、小説に漂っているどんよりと灰色のイメージもそのまま映像化されてます。登場人物も想像通りなので、原作読者は特に楽しめると思う。唯一ちょっと印象が違うのが、私のイチオシキャラ、グンヴァルド・ラーソン。ラーソンはもっとガタイがよくてふてぶてしい人なんだけど、本作ではヤセていてキザな感じです。ファッションに対する気遣いはラーソンそのものなんだけど。

オープニングから警部殺害までピリピリとはりつめる緊張感、その後の地道な捜査で浮上してくる犯人像。でも犯人の姿ははっきり映らない。一体どんな野郎なんだ、と謎が謎を呼ぶなか、突然ストックホルム市街を戦慄させるライフル狙撃事件が発生する。

ちなみに、犯人役の俳優さんは高所恐怖症だったそうだ。本作ではそんな高所恐怖症の人々がぞぞぞとする場面がいろいろ用意されておりますが、ベックとコルベリによる一場面もすごい。これもスタントなしで、俳優本人が演じてる。監督は鬼だね。

当時はCGがない時代。群衆の中にヘリコプターが墜落するシーンなんて、よく死人が出なかったねという迫力なんですが、危険だからってカメラマンが尻込みしたので、監督みずからカメラ回したらしいですよ。

そんなボー監督の気合いが最大限に注入されたライフル狙撃事件が後半のみどころ。比較的淡々と静かに展開していく前半とはうって変わって、なんだか実録事件簿を見ているかのような錯覚をおぼえるほどの出来映えとなっております。原作未読者は、刑事がたくさん出てくるので誰が誰やらということになるかもしれませんが、その辺は気にせず、後半のアクションをお楽しみください。

エンディングがやや唐突ですが、これも原作どおり。もうちょっと何か付け加えたほうが親切だったかも。
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by rivarisaia | 2010-10-04 02:49 | 映画/洋画 | Comments(0)