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神々と男たち

公開されるとしたらフランス映画祭かと思ってたら、東京国際で上映。さらに2011年3月にシネスイッチ銀座にて一般公開決定です。2010年カンヌのグランプリ受賞作。

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神々と男たち(Des Hommes et de Dieux)』監督:グザヴィエ・ボーヴォワ

1996年にアルジェリアのチベリーヌにて、厳律シトー会(トラピスト会)修道院に属する7人のフランス人修道士が武装グループに誘拐され、殺害されたという事件を題材にした映画。

映画では描かれませんが、この事件の真相はよくわからなくて、武装グループ(GIA)の犯行説があるけれど、ちょうど去年、アルジェリア政府軍の誤爆による死亡説が浮上して大問題になりました。死体は斬首されていたので、誤爆を隠蔽するためにGIAのせいにしてわざわざ切ったのでは、という話だったかと思いますが、その後どうなったのでしょうか。

本作は事件の真相に迫るミステリーではなく、危険地域からの撤退を迫られた修道士たちの心の葛藤、悟り、そして決断、という心の過程を描いています。

信仰の異なる他者を理解すること、宗教が違っても相手の信仰を尊重し、それを敬うことは基本であり、とても大切なことである、というのが印象的に描かれていて、特にクリスマスの夜に起こる出来事が象徴的。その後に対比される軍人の態度とは大違いだ。

さて。

タイトルの「神」はなぜ複数なのか気になってましたが、映画の冒頭で聖書の詩編82篇「あなたがたは神である」からきていることが判明(ヨハネ福音書10-34にも引用されている箇所)。

神はその人の内側に存在する。強い信念を抱いた修道士たちの中に神はいたのだと思う。修道院長クリスチャン・ド・シェルジュの遺言には、意味もわからないまま自分を殺すであろう最後の "友人" にも「I see the face of God(神の顔を見る)」とあった。その遺言は「アーメン、インシャラー」という言葉で結ばれていました。

私たちは人のように死ぬけれど、皆いと高き者の子であり、神を内在している(あるいは、内在させることができる)、と考えれば、国や宗教の違いを口実にあーだこーだとモメているのはやっぱりバカみたい。「コーランをちゃんと読んでないやつがああいうことをするんだ」という劇中のセリフは、そのままコーランを聖書に置き換えることも可能だ。と、またもや私のキリスト教原理主義者への文句垂れになりそうなので、ここでひとまず終了。

宗教に興味がなくても、違った角度から平和と相互理解について考えさせられる映画だと思います。
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by rivarisaia | 2010-10-25 23:14 | 映画/洋画 | Comments(0)