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ビューティフル・ボーイ

この映画を観ることにしたのは、『コロンバイン銃乱射事件の真実』を読んだから。
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ビューティフル・ボーイ(Beautiful Boy)』監督:ショーン・クー

大学構内で銃乱射事件が発生。我が子の無事を案じる両親に届いた報せは、想像を絶するものだった…。(TIFFサイトより)


トレイラーを見れば察しがつくし、そこはネタバレに入らないと判断して書いてしまいますが、銃乱射の犯人が自分の息子だった、という事実に両親はどうしたか、という話です。

夫婦仲は冷えているものの、しっかりした母親と仕事熱心な父親というごく普通の家庭。息子は内気だったけど、凶悪な事件を起こすような子ではなかった。事件の前日に電話で話したときにはそんなことになるとは夢にも思わなかった。なぜ、どうして、といくら考えても答えは見つからず、メディアの取材を避けるように姿を隠し、まわりから孤立し、悲しみも怒りも持って行き場がない両親。

あくまでも両親の心の葛藤を追っているので、映画のなかでは、どうして息子がそんなことになってしまったのかは語られません。

Q&Aでも「良さそうな親なのに、どうして息子がそんなことをしたのか」という質問が出ましたが、ショーン・クー監督は、家族だからといって、相手のことをすべてわかっているわけではなく、むしろ理解していないことのほうがふつうなのではないか、それを表現したかったと答えていました。コロンバインの事件でも、加害者の両親はごくふつうの人たちだったし、「どうして息子がそんなことを」という問いに対する答えはずっとわからないままなんだよね。

タイトルの『ビューティフル・ボーイ』には、たとえ息子が犯罪を犯したとしても、両親にとって彼はいつまでも美しい息子のままなのだ、という意味が込められているそうです。

昨今の邦画のように、やたらと観客の感情を煽るようなつくりではないところがすばらしいです。したがって静かで淡々としてはいるのですが、両親の心境が痛いほど伝わってくる、説得力のある作品でした。
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by rivarisaia | 2010-11-02 23:38 | 映画/洋画 | Comments(0)