「ほっ」と。キャンペーン

冬の小鳥

これはかなり後からじわじわくる作品。主演の子役(キム・セロン)もすごいし、子ども目線のカメラワークもよかった。

b0087556_1649956.jpg

冬の小鳥(Une vie toute neuve)』監督:ウニー・ルコント

1975年、ソウル近郊。にあるカトリックの女子児童養護施設。大好きな父に連れられて、何もわからないままそこへ預けられた9歳の少女ジニ(キム・セロン)。自分は孤児じゃない、いつか必ずお父さんが迎えにくるはずだ、と父を待ちつづけるジニだったが…


養子として韓国からフランスに渡ったルコント監督の実体験をもとにしているせいか、ジニの心のゆれ動きがとてもリアル。大好きな親に捨てられてしまった子どもの悲しみ、怒り、絶望、孤独、そして現実を受け入れていこうとする気持ちが痛いほど伝わってくる。ジニは「もう死にたい」とすら思うけど、いざ自分を埋葬しようとしたときに、おそらく心の中で何かがふっきれたのでしょう。

説明的な台詞はほとんどないんですが、キム・セロンの表情が雄弁。施設では無口で始終仏頂面をしている彼女が最後にようやく笑顔を見せるとき、ラストの飛行場で不安を抱えながらもまっすぐ前を見つめるまなざしに、前に進んでいこうというゆるぎない決意を感じました。

で、本作は子役もすばらしいですが、寮母役のパク・ミョンシンも印象的。天使のようにやさしい寮母さんというわけではなく、怖そうで厳しい人に見えるのですが、いちばん子どもたちの気持ちをよく理解している人。一歩離れたところから見守っている人なんだよね。

ふと、同じテーマでもこれが邦画だったらあざとく泣かせようとするだろうな、と考えてしまった。扇情的でなく抑えた感じが逆に印象を高めてるのよね。
[PR]
by rivarisaia | 2010-12-01 21:08 | 映画/香港・アジア | Comments(0)