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プレシャス:いたたまれず感想書けないPart2

去年みた映画で、いたたまれない気持ちになって感想が書けなかったものがあると先日書いたわけですが、本日はその2本目。これはまた別の意味で、うわああという映画。
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プレシャス(Precious: Based on the Novel Push by Sapphire)
監督:リー・ダニエルズ

何年も前に原作は読んでいて、とてもいい本なんだけど、真っ先に思ったのは「うわ、これ日本語訳大変そう」ということでした。邦訳した人グッジョブ!

そして映画版です。

プレシャスの人生は悲惨ですが、レイン先生と出会ったことで、彼女の将来には少しだけ光が差した。もちろん道のりは遠く、乗り越えなくてはならない試練もたくさんあるだろうけど、少なくとも彼女にはまだチャンスがある。がんばれ、プレシャス、と応援する気持ちになる。

問題は彼女の母親だ。

いやもうね、モニークはそりゃオスカー取りますよね。最後のマライア・キャリー演じるソーシャル・ワーカーとモニーク演じるプレシャスの母親の会話で戦慄が走りましたよ。それまでの、プレシャスの人生についてつらつらと考えてたことは、すべて吹っ飛んだ。この映画については、もうモニークしか思い出せないんですよ。

あのまったく噛み合ってない会話。はぁ?お前何言い出すの?ひとの話聞いてるの?すべての元凶はお前じゃないか、という、もうね…。あのラストシーンには、複雑に絡み合ったあらゆる問題が詰まっている。

プレシャスは人生を変えられるかもしれないけど、母親はおそらく一生あのままですよ。このままでは死ぬまで変わらない。そういう意味では、ものすごく不幸だし絶望的であり、どうしてあなたの人生、こんなことになってしまったの…ダメだ、この人…とそこには底なしの真っ暗闇しか見えない。

そして、ああいうタイプの人は間違いなく現実に存在する。

それを考えると児童虐待問題への取り組みは大変なんてもんじゃないですよ。虐待された子どもの救済も大変だけど、虐待する親の救済も果てしなく難しい。

ああいう人を切り捨てるのは簡単だけど、虐待を予防するには、プレシャスの母親のような人にも救いの手を差しのべなくてはならず、それはおそろしく難しい。現場では、のれんに腕押し、馬の耳に念仏、ということが果てしなく繰り返されているんだろうなあ。ああ…。
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by rivarisaia | 2011-01-17 22:51 | 映画/洋画 | Comments(0)