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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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新聞サイト比較にご意見ありがとうございます

先日の新聞サイトを比較したエントリでは、コメント欄および Twitter でいろいろな意見をいただきました。みなさま、本当にありがとうございます! かつてみたことないアクセス数に、このタイミングでB級バカ映画の感想なんてとてもアップできない、とビビりました。ほんとは映画と本のゆるいブログなんですよ…。

そもそもあれをやったのは、今回のエジプトに限らず、常日頃から海外ニュースにアクセスしにくいというイライラを抱えていたので、この機会に調べてみようと思ったから。報道の規模や質ではなく、パッと見たときのアクセスのしやすさ、関連記事の導線について考えてます。

Twitter でいただいた意見のうち、サイトのレイアウトについては次の通り。
*スペースの都合により、複数意見をまとめて短く編集してます。
オリジナル発言は Together の「新聞サイトのトップページを考える」にありますのでそちらを参照ください。


ウェブでも紙面と同じようなつくりをしている海外と、トップは自動更新の日本の新聞では、サイトに対する考えが違う

横書き・縦書き文化の違いと、グリッドに対する意識の違いがあるのではないか

日本の新聞サイトは、紙面では何が一面なのか見当がつかず、1日経つと記事が追えない導線になっている

海外サイトには編集側の意図が感じられるが、日本は自動表示まかせで、サイトの向こう側に人がいる気がしない

新聞の購買数の減少を恐れているのかもしれないが、逆効果なのではないか。日本人の意識を表してるようでもあり、若者の内向き志向が更に加速して世界から置いていかれる

海外は紙が売れなくなる心配はないのだろうか。もし紙が弱体化して国内の新聞サイトが今のままだと困る。とはいえレイアウトを変更して有料になるのも嫌だ

新聞だけでなく、日本のネットの使い方全般の共通項のようにも思える

欧米と日本の新聞サイトは性質が異なるので、日本の新聞サイトはポータルサイトだと考えて活用したほうがいいのかも。日本の新聞サイトのトップから世の中を俯瞰するのも、同時に人々の関心の深さを測るのも無理。

インターネットは便利だけど欠点もあって、何を選んで見るかはユーザー次第なので偏りが生まれるし、知ってる情報を検索することはできても、自分がまるで知らない情報と出会うのは難しいんですよ。

現状の新聞サイトでは、読みたい人に読まれない記事が出てきちゃう。目に入ったものをクリックする以上、トップページが編集されてなければ PV なんてアテになんない。アクセス数トップの記事が必ずしも世の関心を反映してるわけではないのでは? なら読者のニーズってどうやってわかるんだろ。それに読者に読ませたい記事をアピールすることが第一なんじゃ…。

そうなると

エジプトの記事が少ないのは日本では仕方ないが、朝日、毎日のサイトのトップで政治経済の項目がないのはなんだ?と思っていた

海外に住んでネットが主なニュースソースの身から言わせてもらうと 、日本の新聞サイトはレイアウトだけじゃなく内容も相当おかしい


という意見が出るのももっともで、いつまでも海老蔵謝罪会見がトップになって大事な記事は埋もれちゃうけど、国内でも多くの人が「海老蔵のニュースいつまでやってんの?」とうんざりしてたよね? あの時、読者にいちばん読ませたいのは本当に海老蔵だったのか?

海外に住む人や紙の新聞を読まない人、ネット上でもパッと目にした情報しか得ない人といろいろ検索する人、そもそもTVしか見ない人では、かなりの差が生まれます。

だから重要なのはこの意見。
偏った情報だけで、判断しないよう注意が必要ですね。心をいつもニュートラルに保つ努力をしないと、といつも思っています。日本でも普通にグローバルなニュースが入手できると有り難いんですけどね

これは私も気をつけるようにしないといけません。

さて、TVのニュースについては、いい特集を組むこともあるけど、全体的に質が低下してる気がしますが、もともと時間的制限もあるので現状ではカバーしきれないんだろうなとも考えてます。しかし、TVの影響力というのは、まだまだ非常に大きいです。

今回のエジプトのニュースは、月曜の時点ではTVの扱いも少ないと感じている人も何人かいました。現地リポートの少なさの理由を以下のように分析する人も。

Twitterで日本の大手新聞記者など大マスコミ関係者のツイートでちらほら見かけるのは、アラビア語通訳や専門家がつかまらない、いない、という愚痴。分析、検証し報道するまでに持っていくための人材不足もあるのかなと思いました。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルのこんな記事も教えていただきました。

紙媒体と電子メディアとの兼ね合い、編集方針など考えていかないといけないので、簡単にはいかないでしょうが、新聞サイトのあり方については今後も検討されていくといいですね。将来的に各社の個性を打ち出すサイトになるとおもしろいのにな。デザインはけっこう重要ですよ。デザインの力をあなどるべからず。

自分でも簡単なラフをきってみたりしたけど、今の要素に少し手を入れるだけでも、だいぶ違う印象を与えるデザインに変えることは可能だと思う。リニューアルする実作業は大変だけどね…。


●海外のみなさまへの回答

日本では関心低いのか?というと、私の周りではそうでもないですよ。
昨日の大きなデモを受けて、いろいろ報道されてますし、Newsweek Japanやロイター・ジャパンも「特集エジプト情勢」を組んでます。Wired Visionもこうやって記事から関連ニュースに飛ばしてる

Twitterのエジプト関連の発言もTogetter にまとまってるみたいで、Vol. 52まである。モーリー・ロバートソンさん(http://twitter.com/gjmorley)がいろいろと発信していて、それもこちらにまとまってるみたい。

あと、ソフトバンクの孫さんが、Twitterで「エジプトからのSMSは無料になりませんか?」と聞かれ、「やりましょう」という返事をして、さっそく支援措置を実施してました。
Commented by のぶ at 2011-02-11 09:12 x
とても丁寧な記事をありがとうございます。
確かに、インターネット以外のメディアも重要な役割を果たすわけですから、ウェブサイトだけをみて判断してはいけないでしょうね。
でもそうすると、遠くからは日本のことが伺い知れないんですよね。
Commented by rivarisaia at 2011-02-11 22:13
のぶさん、こんにちは。
まったくおっしゃる通りで、今後ますます新聞サイトが縮小していくと、海外にいる日本人/日本のことを知りたい外国人は今以上に日本のことを知るのが大変になるんじゃないかなと思います。もうちょっと新聞サイトなんとかしてほしいです。デザインや仕様を変更するだけでも大分変わると思うんですけどね...。

そんな私も日本にいながら、紙の新聞はあんまり読まないので、新聞以外のニュースサイトを参照するしかないですね(と、ますます新聞離れが…)。
by rivarisaia | 2011-02-02 21:38 | 日々のよもやま | Trackback | Comments(2)