滝山コミューン一九七四

本書を読んだのはハードカバーで出た直後なので、3年以上も前だけど、読了後に戦慄し、感想を書きなぐったものの支離滅裂になって消去しちゃったのだった。先日『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』をみた際、この本を読んだときに抱いた気持ちとかぶるものがあったので、書いておく。
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滝山コミューン一九七四』原武史著、講談社

東京郊外のマンモス団地の小学校で、全国生活指導研究協議会(全生研)の指導により「みんな平等」を合い言葉にした「集団づくり」という教育が行われていた。それはどんなものだったのか。ソビエトの集団主義教育を取り入れたその実態は、平等でも自由でもない、子ども同士の監視社会であった。


たとえば著者の学校では、クラスを班分けし、わざとダメな班(ボロ班)をつくって子ども同士を競わせるということが行われていた。私は著者よりも世代が若く、ここまで酷くはなかったけど、それでも小学校時代に似たような経験をしている。ボロ班はなくとも班競争はあったし、カルトじみたキャンプファイヤーや卒業式のバカっぽい「わかれのことば」も、前回書いた「帰りの反省会」という名の吊るし上げもほぼ同じ……と背筋が凍った。

みんな一緒に団結するのは、それが自然にそうなったのであれば、とても楽しくて感動しちゃうんだろうけど、強制されたらどうだろう。もしかして、やたらと「感動」を煽る世間の風潮は、この頃にそういう教育を受けてた人たちが社会の実権を握っているからだったりして。

集団生活で大切なのは、みんな一緒ということではなくて、あなたと私は違うけど、その違いをお互いに尊重しなくてはなりませんよ、ということじゃないの? 違うの?

私の手元には小学校の通信簿があるが、6年間×3学期、どの先生もみな見事に私のことを「明るく人から好かれますが、協調性がありません」と書いている。

この、協調性がないくせに、どうしたことかいじめられっこにもならず、友だちがいて明るく好かれている、という点が、じつは教師にしてみれば非常に厄介な存在だったのではないだろうか、と大人になってから思うようになった。いじめられっこだったら、教師も一緒になってスルーすればいいんだよ。だって実際、往々にしてそうしてるもんね。イジメがあったなんて気づきませんでした、とか言ってさ。

正直なところ、学校では友だちと楽しくやっていても、先生には疎まれているっぽいというのは気づいていたが、あの教育システムの裏に全生研とやらの集団主義教育という思想があったのかと知った今、お前らふざけんな、という気持ちでいっぱいだ。

最悪だったのは4年の時の担任。えこひいきのある男性教師で、いまにしてみれば、あれは「協調性のない」生徒たちを教師みずから目のカタキにすることで、自然とクラス内にそれを察知させ、いわゆる「ボロ班」に該当するグループを形成させようとでもしたのだろうか、と思うほど。だとしても、それはうまくいかなかった。だって「明るく人から好かれて」いる邪魔な存在がいるから(苦笑)

考えられないだろうけど、その男性教師は、ひいきの男子生徒には媚びるようなウケ狙いをし、ひいきの女子生徒は自分の膝にのせたり、お尻をさわったり、抱きついたりしていた。目のカタキにする生徒に対しては「お前の兄姉は頭がいいのに、お前はバカだ」と全員の前で言い放ったり、描いた線の長さが0.1ミリ違うとか難癖つけて顔を叩いたりするわけ。

私なんか、三角形の角度がピッタリ45度じゃないと言われて、顔を往復ビンタされたからね。鉛筆の線が分度器の線より太いせいだった。泣きながら鉛筆を細く細く削って、書き直した。それでも抱きつかれるよりは、ビンタのほうがマシである。

さらに「はあ?」という出来事は、授業中、なんの脈絡もなくいきなりクラス全員の前で「子どもの頃にアメリカに行ってたやつは鉛筆も満足に持てないのか」と言われたこと。アメリカに行ったことと私の鉛筆の持ち方との間に何の因果関係が? この先生、バカなの?

「あの先生はちょっとおかしい」とまわりの友だちに話していたが、それでも1年間でけっこうウンザリしたので、5年生になっても同じ先生だったら親に訴えて学校を辞めさせてもらおうと決めた。幸い担任は変わったが、これはこれで問題のある先生だったので、学校の先生には何も期待しない子どもが一丁あがり、という次第なのだった。
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by rivarisaia | 2011-02-18 20:30 | | Trackback | Comments(0)

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