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メアリー&マックス

最初に正直に告白しておくと、個人的には、アダム・エリオットの造形デザインはかわいくもないし、不気味(ホメ言葉です)でもないと思っていて、苦手の部類に入ります。ところが以前、短編作品の『ハーヴィー・クランペット』をみたときに、絵は好きじゃないけど話はすばらしいと思ったのでした。今回もそうなんだよね。

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メアリー&マックス(Mary and Max)』監督:アダム・エリオット

オーストラリアに住む孤独な少女メアリーとニューヨークに住むアスペスガー症候群の中年男性マックスの20年にわたる手紙のやりとりを通して、彼らの(そしてすべての人の)人生と友情について描いた物語。

メアリーの境遇は悲惨で、障害を抱えるマックスは可哀想だ、と思う人がいるかもしれないけれど、実際のところ、私たちもメアリーやマックスとあまり変わらない。大なり小なり、どの人の性格も人生も似たようなものですよ。誰もが選ぶことのできない欠点を抱えながら、ひび割れたりバナナの皮やタバコの吸い殻が落ちたりしている道のような人生を歩んでいるわけで、ハタと気づけば「ケ・セラ・セラ」のメロディーを耳にしながら、私もあなたも一緒だよ、としみじみしてしまうのだった。

アダム・エリオットは、自分を大切に思うこと、すべての人は唯一の個性的な存在であること、というテーマを、ヘタな感傷や同情を抜きにして飾らずに描くのがうまい。絵は好きじゃない、と書いたけど、逆に私の好みの絵柄で同じ物語を描こうとすれば、変にウェットな作品になってしまったり、ユーモアがキツすぎる作品になってしまうのかもしれません。

マックスの手紙にあった「You are imperfect, and so am l」という言葉は真理であり、魔法の呪文のようなものですよ。いや、日常において意外とそのことを忘れること多いでしょ。思い出すだけでもずいぶん違うよ。

そんなわけで、造形が苦手と思う人も機会があったらぜひどうぞ。『ハーヴィー・クランペット』もかなりおすすめです。
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by rivarisaia | 2011-05-16 23:45 | 映画/洋画 | Comments(0)