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カラスの飼育

先日、TVで『ミツバチのささやき』を放映してましたが、アナ・トレントといえばこの映画も好き。

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カラスの飼育(Cría Cuervos…)』監督:カルロス・サウラ

タイトルは「Cría cuervos y te sacarán los ojos. (カラスを育てると目をくりぬかれる=飼い犬に手をかまれる)」というスペインのことわざから来ています。主演はアナ・トレントですが、アナの母親と成長したアナの二役をジェラルディン・チャップリンが演じてます。関係ないけど、ジェラルディン・チャップリンは老けないよね...。

3姉妹の真ん中の少女、9歳のアナは、軍人の父とピアニストの母親、車いすの祖母、お手伝いのおばさんと暮らしていたが、両親は不仲で、母親は病気で死んでしまう。

愛人とベッドにいた父が突然死に見舞われた際、アナたち姉妹は叔母に育てられることになった。じつはアナは母親が「毒」だと言っていた白い粉末を隠し持っている。その粉をミルクに混ぜて、父に飲ませたのはアナだった…。


多感な年頃のアナは妄想と現実の区別がつかなくなっており、殺人に自殺幇助を行おうとするわけですけど、やがて明らかになる過去の出来事は、小さい女の子の心にかなりの負担をかけるものでした。可哀想なアナ。

しかしですよ、9歳の少女が「毒」を入れたミルクのコップをちゃんと回収して、洗って、さらに洗ったコップの位置を入れ替えるという、この周到さにはゾクッといたしますよ。

最終的には、アナの長い妄想の入り交じった日々に終わりを告げるかのような朝が来て、子どもたちの学校が始まる。こうして少女は現実を受け入れて大人になっていくんだろうなあ。子どもはなにかと想像力がゆたかだけど、アナの空想には死んだお母さんがしょっちゅう登場して、とても哀しいのだった。

DVDに付属していた解説には、父はフランコ政権、母はフランコ政権に滅ぼされた芸術家、叔母はその後に登場した支配層、祖母は、アナは…といった具合に、それぞれの登場人物はこうしたものを象徴しているのではないかという考察が書かれてあって、なるほどと思った次第です。

また、劇中では Jeanette の『Porque te vas』という歌が使われています。この歌大好きなんですけど、何度も流れるのでいつぞやの映画のように、耳から離れなくなるかもしれません。映画が終わったら、メロディーをうっかり口ずさんじゃうことは間違いなし。


そんなわけでオマケはもちろん『Porque te vas』


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Commented by Cara_Gra at 2011-12-08 09:25
この映画すきなんだけど。釈然としないんです。釈然としないとこも好きなんだけど。
Commented by rivarisaia at 2011-12-08 11:48
あ、その釈然としなさ加減、なんかわかる。私、解説読んだときに、釈然としなかったところがわかったような気がしたけど、でもやっぱり今思い出しても釈然としない。そこがいいのかしら。
Commented by Cara_Gra at 2011-12-09 01:20
レンタルで観て釈然としなくて時間空けてみようとVHS買って放置して気づけば再生装置がテレビから切り離されて。実家整理したら亡父の厳選ビデオライブラリーにも入っていてやっぱりなと思ったり。突きつめると好きなんだと思います。
Commented by rivarisaia at 2011-12-13 20:34
厳選ビデオライブラリーに入ってるなんて! なんかこの映画不思議な印象が残りますよね。
Commented by バーバリー アウトレット at 2013-03-12 10:46 x
お世話になります。とても良い記事ですね。
by rivarisaia | 2011-12-05 23:37 | 映画/洋画 | Comments(5)