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悪の華

またもや地道にシャブロル。そしてまたもやブノワ・マジメルがドロドロとしたブルジョワ家庭の一員であるという設定です。

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悪の華(La Fleur du Mal)』監督:クロード・シャブロル

『悪の華』といえばボードレールの詩集ですが、本作はそれとは関係ないんですけども、あとから詩集を読みかえしてみたら、根底になにか通じるもの(退廃、美、殺人など)があるように感じてしまったのは気のせいかしら。映画は、ある名家の人間模様と過去の秘密が現在に絡まっていくという怖い話です。

まったりしているフランス映画をみると睡魔に襲われる家人ですら、かなり引きつけられてみていたので、さすがシャブロル。そんな家人はひとこと、「爽やかに怖かった」と言っていました。

そう、ある家族の負の話なのに何故か陽光に満ちて爽やか、といいますか、負の部分は覆われて優雅な表面しか見えないかのようでいて、常にまとわりつく不穏な空気。温室でコーヒー飲んだり、こんもりと満開の紫陽花のそばで庭いじりしたり、海辺の別荘で過ごしたりと、ハイライフを送っていますが、たまに表面がひび割れて、アレやコレやと愛と悪が渦巻いているのが見えるんですよね、このお屋敷。

本作は、お屋敷映画でもあります。オープニングにうつるお屋敷、玄関から続く階段、屋敷に(一族の血に)囚われてしまったかのように、鳥カゴ越しにうつるふたりの女性のショットが印象的で、とてもおすすめです。

笑う場面じゃないのに、つい笑ってしまうラスト近くの階段のシーンもさることながら、エンドクレジットとともに映し出されるパーティシーンで一族の皆さんを目で追ってしまったときにうすら寒いものを感じました。

そして私としては忘れちゃいけない、シャブロル映画食事シーンも充実。ウナギの煮込みに高価な白ワイン、じゅるりじゅるりと吸い込むように食べていた生ガキ、焼きたてのクロワッサンなど、格別おいしそうに撮ってるわけでもないのにお腹がすいてしまい、パテと赤ワインを深夜に飲み食いしてしまったのはいうまでもありません。
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Commented at 2011-12-24 11:09 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2011-12-28 01:10
了解しました!
by rivarisaia | 2011-12-21 20:29 | 映画/洋画 | Comments(2)