スリー・パインズ村シリーズ

ニューファンドランド島を舞台にした本を読んで、カナダづいたイキオイでカナダが舞台のミステリを一気読みしてみました。同じ北米でもやっぱり雰囲気が全然違うな、カナダとアメリカ。

ガマシュ警部の「スリー・パインズ村」シリーズ。著者はルイーズ・ペニー。武田ランダムハウスジャパン刊行です。

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1作目『スリー・パインズ村の不思議な事件

感謝祭の週末、スリー・パインズ村の森の中で矢に射られた老婦人の死体が発見される。事故死なのか、殺人なのか、ガマシュ警部が捜査に乗り出すが…

2作目『スリー・パインズ村と運命の女神

クリスマスの後、村で行なわれたカーリングの試合のさなか、ひとりの女性が突然死亡。なんと死因は感電死だった。

3作目『スリー・パインズ村の無慈悲な春

イースターの日曜日。村の不吉な屋敷で行われた降霊会で、思いがけない事件が…


カナダとアメリカでは感謝祭の日付が違うことをこのシリーズではじめて知った私である。地図にも載っていないケベック州の小さな村、スリー・パインズで起こる事件を、人間観察力に富み、部下思いで人を育てるタイプという、上司にしたい人ナンバーワンに選ばれそうな非常にデキる警部ガマシュのチームが捜査するという話です。それぞれの事件はちゃんと解決するんですけど、1作目から匂わされる「ガマシュ警部が関わった過去の事件」が、3作すべてを通して出てきます。

1作ごとの事件よりも、3作通して読んだ全体感がおもしろかったです。

1作目では謎だった過去の事件ですが、2作目、3作目と進むうちに、それはどんな事件だったのか、その事件が警察内にどんな影響を及ぼしたのか、という詳細が明らかになり、2作目で頂点に達する「どうなっちゃうの!?」感は、3作目でいったんスッキリと解決します。4作目でも過去の事件自体の余波はありそうなんだけど、それはまた別の話になるんだろうな。

ガマシュ警部を心から信頼しているボーヴォワール警部補や、1作目ではり倒したくなっちゃう新米女性刑事ニコルなど、警察チームの脇役に加えて、レギュラーメンバーの村の人々(ゲイのカップル、芸術家の夫婦、本屋のおばさんなど)もいい味だしてます。

事件が起きるのが感謝祭だったり、クリスマスだったり、イースターだったり、とイベントがらみなせいもあって、美味しそうな料理が出てくるからお腹すく。警部が宿泊するB&Bのビストロの料理も食べたい…。

そんなわけで、コージーミステリになるのだろうと思うのですが、最近の私の好みでないコージー(事件よりも素人探偵のロマンスやら料理のレシピに力が入ってる類いのもの)とは違って、読み応えがあります。

興味深かったのは、やたらとイギリス系、フランス系の話が出てくる点。彼女はフランス系だからおしゃれだ、イギリス系は理屈ばっかり言ってる、と言った具合で、カナダってフランス語話者か英語話者かでステレオタイプがあるんですかね。あとね、ちょこっとだけど、先住民族に関する話が出てきます。4作目以降で、そのあたりがもっと取り上げられてるとおもしろそう。

まだ続きが出ているようなんですけど、毎度事件がスリー・パインズで起きるとなると、レギュラーの村人から死人(あるいは犯人)が出やしないか、ということと、スリー・パインズの殺人事件率がはねあがり、カナダで一番の凶悪村になってしまうのではないか、ということが心配(笑)。
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Commented by fontanka at 2012-04-03 20:57 x
殺人事件の率といったらイギリスの田舎町がダントツかと思ってましたが。
このシリーズチェックしてみます。
Commented by rivarisaia at 2012-04-03 21:35
各巻の事件より過去の謎の事件のほうが興味深かったですが、どう続くのかなー。カナダだけどイギリスの田舎町っぽい雰囲気です。
by rivarisaia | 2012-04-02 23:29 | | Trackback | Comments(2)

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