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ヘルプ~心がつなぐストーリー~

原作は何年か前にアメリカで評判になって、そのとき読んだ感想は「悪くないけど、ふーん」というものでした。で、アメリカ人の友人が「本に輪をかけてすごく口当たりのよい甘い映画だ」と怒っていたのでみてみました。

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ヘルプ~心がつなぐストーリー~(The Help)』監督:テイト・テイラー

1行あらすじ。

60年代のミシシッピで、ひとりの若い白人女性が、黒人の家政婦たちのインタビューを1冊の本にしようと奮闘する話。


これはですね、「60年代のミシシッピの人種差別の状況と、それを変えるべく奮闘した人たちを克明に描いた感動作」というとらえかたをするから、頭に来るんだと思いますよ。違う! 現実はこんなものじゃなかった! また「親切な白人」かよ! いつでも黒人はステレオタイプだ!といった具合に。

でも、それを言い出したら、『ヘアスプレー』はどうよ?

時代と舞台はあくまで背景設定のフィクションなんだよね。本作は "当時のジム・クロウ・サウス" という「過去のこと」を忠実に描いたのではなくて、人種は関係なく、いまでも誰にでもある差別の気持ちという普遍的なものを、さまざまな立場の人に代弁させて語ってるんだと思うよ。逆に言うと、昔の南部って酷かったのね〜で終わっちゃうと、困ることではある。

比較的軽いノリで映画を楽しみながら、「あれ? こういう人いるよね?」「自分はどうだろう?」とちらっと考えることができたらいいし、当時の状況に興味をもつきっかけにもなったらいいのではないでしょうか。

大体からして、劇中の白人女性のあの集いをみて、私の脳裏をよぎったのは

「うわあああ! これは…これはまるで、学生時代に、私が大嫌いだったソロリティの女子ではないか!!」

※ソロリティ=選ばれた女子だけが所属する女子寮(女学生クラブ)みたいなものです。アメリカの大学にはそういうものがあって、ほんと、今もあんな感じ→偏見。

なのであった。

本作では典型的な悪役というのが登場しますが、彼女自身も実際にはすごく弱い人であることがわかるし、正義の味方のような主人公のスキーターにも、それはどうかなという無意識の態度がみられたりもします。原作でも映画でも私がいちばん好きなのは、シーリアという皆からハブられている頭の軽い女性ですが、彼女は仲間外れにされているから差別されている人の気持ちがわかるというよりは、むしろ、頭がからっぽ=子どもみたいな人=そもそも人を区別するという発想自体があまりナイ、という気がします。

シーリアのエピソードも含めて原作からは大きく変更されてる点がいくつかあって、スキーターのメイドの娘の話は大分違ってました。"pass for white"じゃなかった…。いちばん笑えるのはスキーターの彼氏。だいぶ省略されているので、「お前は一体なんのために出てきたんだ」という扱いになっており、いっそバッサリなくてもよかったかも(笑)

ところで、本作はファッションもかわいいけど、南部料理が美味しそうで大変です。豆と塩漬けブタの煮込みでてきたよねッ!?ああ、食べたい。
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Commented by ETCマンツーマン英会話 at 2012-10-05 09:00 x
はじめまして。
南部アメリカに興味が湧き、この映画をDVDで観ました。
「自分はどうだろう?」と思い返す場面が何度かあり、いろいろな気づきがありました。差別は無意識に行ってしまうもの。人に送り視線も気をつけないと、視線を受ける側にとってはつらいものなのかもしれませんね。
「原作からは大きく変更されてる点」興味がわきました。ぜひ、原作本も読んでみたいと思います。
Commented by rivarisaia at 2012-10-06 18:09
こんにちは。本作で描いてることは時代に関係なく普遍のことのような気がしました。自分にも思い当たる部分があって反省…。

原作もぜひ読んでみてください。変更部分はストーリーにはあんまり関係ないのですが、スキーターの彼氏はもうちょっと登場場面があります(笑)

映画に登場する料理の本も出版されてそうな気がするので、それも探してみようかな。
by rivarisaia | 2012-04-19 22:46 | 映画/洋画 | Comments(2)