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シージャック

諸事情により、今年は3本だけなので余裕の東京国際映画祭。今回からチケットの購入方法が変わり、QRコードチケットになったため、いろいろ不安はありましたが、入場はスムースでした。

さて、1本目はこちら。

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シージャック(A Hijacking/ Kapringen)』監督:トビアス・リンホルム

インド洋沖でデンマークの船がソマリア海賊にハイジャックされる。本社はさっそく専門のネゴシエイターを呼び、海賊との交渉を開始。しかし交渉はなかなか進展せず、長期戦へと突入する。


以前海賊の歴史の本を読んだときに、現代の海賊について自分の中でうまくイメージができなかったので観ることにした1本。どうも私は帆船の時代で思考停止しているもので…。

結論から言うと、とてもおもしろかったです。

乗っ取られた→船自体に価値はなく身代金目的と予測→人質は金ヅルなので殺されないだろう→相手の要求をのむと足下見られてさらにふっかけられるので、粘り強い交渉が必要→1週間で解決すると思うな、最悪1年かかるかもしれない。


という、出だしでなるほどと思った私。積み荷が目的じゃないのね…(それは私掠船)。

かくして4ヵ月にわたる交渉が始まるのだが、なにせ陸上から遠く離れた広い海の上。テキパキと進むわけもなく、「相手が電話かけてくる→話す→切れる→じっと待つ」の繰り返しである。

冒頭で交渉上手の一面を見せる社長ペーターも、長引く交渉にフラストレーションが溜まってくる。当然船の中もストレスが充満する。海賊側には英語を話す交渉役が存在するが、彼以外は言葉が通じないうえに武器を持っている。一体自分たちは助かるのか、本社は助けてくれるのか。

交渉が長期におよぶので、時には海賊と人質が打ち解けて一緒に楽しく食卓を囲んじゃったりする日もある。しかし人質はあくまでも人質であり、和気あいあいも長くは続かない。船側の主人公の料理人ミケルは、だんだん精神的におかしくなってくる。

船内と本社の社内しか映さず、恐ろしい悪者もスーパーヒーローも登場しない本作は一見地味なのだが、その下で張りつめる緊張感と閉塞感に満ちた妙なリアルさが、かなり好き。アメリカでも日本でもこのタイプの物語は撮れないんじゃないかなー。

上映後にQ&Aがありました。

最近ではデンマークも商船内に武装した人をボディガードとして乗せられるようになったし、軍が海上パトロールもしてるのだが、「インド洋は広いので、ヨーロッパ全体をパトカー5台で見回るようなもので…」という例えがわかりやすかった。そうだよね…なにせ海の上だしね。簡単に軍や警察を呼んでどうこう出来るものでもないよね。

映画では実際にケニア沖に船を浮かべて撮影したそうで、使用した船は、偶然にも過去に海賊被害にあった船だったらしい(乗組員にも海賊に遭遇した経験のある人がいたとのこと)。また、ネゴシエイター役の人も俳優ではなく、本職のネゴシエイターなんだって。

近年の海賊といえば、思い浮かぶのはソマリア沖&マラッカですが、Wikipedia をみるとソマリアの記事の充実っぷりが問題の深さを物語ってるので参考までにどうぞ。

ソマリア沖の海賊
マラッカ海峡の海賊
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Commented by 江戸アケミ at 2014-09-24 01:55 x
これおもしろかった。北欧もの好きデス。ヒルドゥル・グズナドッティルの陰鬱で透明な曲もすごく良かったデス。アルバム集めてしまいました^^釣りは本物だったのかなぁ?
Commented by rivarisaia at 2014-09-24 23:20
これ、よく考えると地味な展開ですけど、要所要所でリアルを追求してる感じで、おもしろかったですよね。曲を覚えてないので、今度どこかでチェックしてみます!
by rivarisaia | 2012-10-23 02:38 | 映画/洋画 | Comments(2)