神の道化師、フランチェスコ
2013年 03月 16日
祝・教皇フランチェスコ誕生。
パパ様はイエズス会だそうなので一瞬、フランシスコ・ザビエルか…?と思ったけど、いんやフランシスコ・ザビエルだってもとはアッシジ由来だろと想像した私である。
アッシジの聖フランチェスコ(聖フランシスコ)は、我らがフランシスコ会の創設者であり、中世でちょう有名な聖人であり、イタリアの聖人といえばフランチェスコ、というほどの人である。確かにイタリア人が好きそうな人物ではある。
そんなフランチェスコさんは、おおざっぱに説明をすると、お金持ちのおぼっちゃんで、派手なファッションが好きで、フランスかぶれだった。そもそも本当の名前はジョヴァンニ(ヨハネス)だったのに、「フランス君」という意味の「フランチェスコ」に改名したのだ。
ウォラギネの『黄金伝説』に
と書いてあるんだけど、フランクな人って……(爆笑)
そんなフランチェスコさんは、あるときから奇行に走った。お金持ちの生活をやめて、乞食のまねしたり、歌いながら福音を説いたりして(ここが道化師とよばれるゆえん)、ぼろをまとった修道士会を組織したのだった。
さらには小鳥やら虫やら魚に向かって話したりもした。とりあえず心は通じたということになっている。
どうですか、変でしょ、時代をかんがみてもかなり変だよね? いままで教皇にこの名前の人いないのなんかわかるよね? っていうか、ほんと新教皇、大丈夫なのかね…(不安)。
そんな愛すべき変人フランチェスコの生涯はいくつか映画化されていて、ミッキー・ローク主演の作品や有名どころ『ブラザー・サン シスター・ムーン』がありますが、わたしがいちばん好きなのはロッセリーニの映画です。
『神の道化師、フランチェスコ(Francesco Giullare di Dio)』
監督:ロベルト・ロッセリーニ
ほのぼのした10のエピソードからなる映画で、真面目なのか間抜けなのかよくわからないというか、ときにコントっぽい展開も多くて、なによりもフランチェスコとその仲間たちは、たいへん迷惑な人たちかもしれないけど、なんだかちょうにくめない! 愛すべき人たち!というオーラがじわじわとにじみ出ている。まるで説教くさくないので万人におすすめ。
フランチェスコは無力な自分を嘆いてしょっちゅう泣いてるし、無垢な弟子ジネプロ君のエピソードはとても可笑しい。そんななか、映画の中盤、フランチェスコが野を行く癩病の人と遭遇するエピソードは、静謐で、心に沁みるような印象を放つのであった。
ま、もっとも強烈だったのはラストですけどね…。これからの行き先を決めるために、みんなでぐるぐる回って目をまわしてバタバタ倒れる修道士たち…。こればっかりはぜひとも実際にご覧下さい。
そんな本作ですが、さすがネオレアリズモのロッセリーニといいますか、フランチェスコ役&仲間の修道士は全員が本物のフランシスコ会の修道士です。
そんな逸話もふくめて、本当に愛すべき作品なので、NHKあたりで放映したらいいのにな。
ちなみに私の所属教会のイタリア人修道士も「我らがフランチェスコが小鳥と話したので、わたしも先日、野良猫に言い聞かせたら、わかってもらえました」などと真顔で言ったりするので、変わっていていい感じである。
パパ様はイエズス会だそうなので一瞬、フランシスコ・ザビエルか…?と思ったけど、いんやフランシスコ・ザビエルだってもとはアッシジ由来だろと想像した私である。
アッシジの聖フランチェスコ(聖フランシスコ)は、我らがフランシスコ会の創設者であり、中世でちょう有名な聖人であり、イタリアの聖人といえばフランチェスコ、というほどの人である。確かにイタリア人が好きそうな人物ではある。
そんなフランチェスコさんは、おおざっぱに説明をすると、お金持ちのおぼっちゃんで、派手なファッションが好きで、フランスかぶれだった。そもそも本当の名前はジョヴァンニ(ヨハネス)だったのに、「フランス君」という意味の「フランチェスコ」に改名したのだ。
ウォラギネの『黄金伝説』に
この名前はフランクな人々、つまり自由で奔放な人々という意味で、彼も生まれながら自由でおおらかであった。
と書いてあるんだけど、フランクな人って……(爆笑)
そんなフランチェスコさんは、あるときから奇行に走った。お金持ちの生活をやめて、乞食のまねしたり、歌いながら福音を説いたりして(ここが道化師とよばれるゆえん)、ぼろをまとった修道士会を組織したのだった。
さらには小鳥やら虫やら魚に向かって話したりもした。とりあえず心は通じたということになっている。
どうですか、変でしょ、時代をかんがみてもかなり変だよね? いままで教皇にこの名前の人いないのなんかわかるよね? っていうか、ほんと新教皇、大丈夫なのかね…(不安)。
そんな愛すべき変人フランチェスコの生涯はいくつか映画化されていて、ミッキー・ローク主演の作品や有名どころ『ブラザー・サン シスター・ムーン』がありますが、わたしがいちばん好きなのはロッセリーニの映画です。
『神の道化師、フランチェスコ(Francesco Giullare di Dio)』
監督:ロベルト・ロッセリーニ
ほのぼのした10のエピソードからなる映画で、真面目なのか間抜けなのかよくわからないというか、ときにコントっぽい展開も多くて、なによりもフランチェスコとその仲間たちは、たいへん迷惑な人たちかもしれないけど、なんだかちょうにくめない! 愛すべき人たち!というオーラがじわじわとにじみ出ている。まるで説教くさくないので万人におすすめ。
フランチェスコは無力な自分を嘆いてしょっちゅう泣いてるし、無垢な弟子ジネプロ君のエピソードはとても可笑しい。そんななか、映画の中盤、フランチェスコが野を行く癩病の人と遭遇するエピソードは、静謐で、心に沁みるような印象を放つのであった。
ま、もっとも強烈だったのはラストですけどね…。これからの行き先を決めるために、みんなでぐるぐる回って目をまわしてバタバタ倒れる修道士たち…。こればっかりはぜひとも実際にご覧下さい。
そんな本作ですが、さすがネオレアリズモのロッセリーニといいますか、フランチェスコ役&仲間の修道士は全員が本物のフランシスコ会の修道士です。
そんな逸話もふくめて、本当に愛すべき作品なので、NHKあたりで放映したらいいのにな。
ちなみに私の所属教会のイタリア人修道士も「我らがフランチェスコが小鳥と話したので、わたしも先日、野良猫に言い聞かせたら、わかってもらえました」などと真顔で言ったりするので、変わっていていい感じである。
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fontanka
at 2013-03-17 00:09
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この映画みたいです!
あのフランシスコ会では、映画にでるなんて世俗的なことOKなんでしょうか?
いや、伝導の一環でしょうか?と、ますますみたくなりました。
(イタリア映画 「ウンベルトD」も見たい→悲しくなりそうですが)
あのフランシスコ会では、映画にでるなんて世俗的なことOKなんでしょうか?
いや、伝導の一環でしょうか?と、ますますみたくなりました。
(イタリア映画 「ウンベルトD」も見たい→悲しくなりそうですが)
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minaco.
at 2013-03-18 01:00
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ぼんやり記憶を晴らしていただき、ありがとうございました!どうやら、エピソードのうち小鳥とグルグルばかり強烈に残っていたらしく、それだけ独立した映画と勘違いしていたみたいです…。もう一度ちゃんと見直したい!
それにしても、映画化されるのも納得ですね。こう言っちゃ怒られるかもしれないけど、後のフラワーチルドレンを思わせるラブ&ピース&フリーダム…裸だし。もしかしたら、新教皇は現代に素朴な信仰心を取り戻そうという意図だったらいいな、とも思ったり。また映画化されてフランチェスコ・ブーム来るかもしれませんよw
それにしても、映画化されるのも納得ですね。こう言っちゃ怒られるかもしれないけど、後のフラワーチルドレンを思わせるラブ&ピース&フリーダム…裸だし。もしかしたら、新教皇は現代に素朴な信仰心を取り戻そうという意図だったらいいな、とも思ったり。また映画化されてフランチェスコ・ブーム来るかもしれませんよw
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rivarisaia at 2013-03-18 23:03
>fontankaさん、
ロッセリーニなんだからNHKで放映したらいいのにね! これってどうやって映画に出るよう説得したのか、そのあたりの裏話を知りたいです。ロッセリーニ関連の本に出てるのでしょうか。
ちょっと心が苦しくなるけど『ウンベルトD』もおすすめ〜。
ロッセリーニなんだからNHKで放映したらいいのにね! これってどうやって映画に出るよう説得したのか、そのあたりの裏話を知りたいです。ロッセリーニ関連の本に出てるのでしょうか。
ちょっと心が苦しくなるけど『ウンベルトD』もおすすめ〜。
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rivarisaia at 2013-03-18 23:09
>minaco. さん
オムニバスじゃないから違うかなー?でもこれじゃないかなー?と思ってたら、本作だったようで何よりです! 全体的にコントっぽいけど、小鳥とグルグルが強烈ですよね…。このフリーダムさ加減が人気の聖人なんだけどさ!
しかし新教皇は本当に清貧&祈りの人らしいので、真面目に素朴な信仰心カムバックが狙いのような気がしてきました。でもって世の中にフランチェスコ・ブームがきたらどうしよう!わー。
オムニバスじゃないから違うかなー?でもこれじゃないかなー?と思ってたら、本作だったようで何よりです! 全体的にコントっぽいけど、小鳥とグルグルが強烈ですよね…。このフリーダムさ加減が人気の聖人なんだけどさ!
しかし新教皇は本当に清貧&祈りの人らしいので、真面目に素朴な信仰心カムバックが狙いのような気がしてきました。でもって世の中にフランチェスコ・ブームがきたらどうしよう!わー。
by rivarisaia
| 2013-03-16 22:06
| 映画/洋画
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