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東京のえくぼ:渋谷のロープウェイ

渋谷駅の改造の話がニュースになっていて、この映画を思い出しました。

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東京のえくぼ』監督:松林宗惠

バスに乗っていて財布をすられた伸子(丹阿弥谷津子)。警察につかまったのは、ロイド眼鏡に口ひげのニヤけた紳士であった。

その後、伸子は就職試験の面接に行き、社長秘書に採用されるが、なんとの日から社長が突然失踪してしまっていた。


勘のよい方ならもうお察しでしょうが、ヒロイン伸子がスリだと思って警察に突き出したその男こそ、伸子が就職した会社の社長(上原謙)なのだった。誤解は解けて社長は釈放されるが、それにしてもこの社長は書類に印鑑を押し、会議に出席し、あっちへこっちへと飛び回り、分刻みで忙しい。

社長をスリと勘違いしてすまなく思った伸子は、「社長さん、いま一番やりたいことはなんでしょう?」と聞く。「ホルンを吹くことだね」と答える社長。社長室に鍵をかけ「ぞんぶんにお吹きなさいませ!」とに言う伸子。引き出しからホルンを取り出し、一曲吹く社長。

なんぞこの展開…(笑)

このあと、仕事に嫌気がさした社長さんは伸子と共謀して会社から逃げ出し、身分を偽って伸子の家に居候したりするんですが、伸子の父親に「人生だれもがメクラ判を捺しているようなもん」「人を信用するには信用できる人をつくれ」などと説教された挙げ句、自分が失踪したせいで仕事が滞っていることを知って社に戻ります。

社長の机の上には大量の書類の山ができていたが、「私、書類をめくる人」「ぼく、印鑑捺す人」といった具合に餅つき状態で書類の処理をする社長と伸子なのだった。

でね、ここからラストにかけてが凄いですよ。

「きみに処理してもらいたい書類が引き出しにある」と社長に言われて、伸子が引き出しをあけると辞令が入ってんの。「社長妻に任命する」って辞令がね!

会社の屋上で、その辞令を社長に返す伸子。社長が紙を広げると、キスマークがドーン! そこですかさず伸子が「私のめくら判(はあと)」

ちょっ…何言ってんの…。

ふつうだったらブンなぐってるところですが、この映画に関しては許す、許します。だって伸子役の丹阿弥谷津子が可愛いくて、上原謙がヘンテコだからです。さらに婦人警官役で無駄に高峰秀子が出てきたり、会社の専務が古川緑波だったり、伸子の父が柳家金語楼だったりと脇役も充実です。

で、なんの話だっけ。そうだ、渋谷駅だ。

むかし、渋谷東横の屋上にロープウェイがあったという話を聞いたことがあったんですけど、たぶんそれこの映画に出てくる。

会社を飛び出した伸子と社長が乗り込むこれ。
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これがうわさのひばり号では。

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玉電ビル屋上に向かっているロープウェイを正面からみた図、ということで合ってるでしょうか。のどかでいいなあ。

渋谷のロープウェイについてはデイリーポータルZの記事もどうぞ。昭和26年8月に登場し、昭和28年には廃止になったらしい。

昔の映画で昔の街並を覗き見するのは楽しいねー。
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by rivarisaia | 2013-03-18 23:01 | 映画/日本 | Comments(0)