The Terrible Thing That Happened to Barnaby Brocket(浮いちゃってるよ、バーナビー!)

ロアルド・ダールのマチルダみたいに、理不尽な親が登場する物語です。ゆだんして読んでたら、けっこうびっくりするオチでした。

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The Terrible Thing That Happened to Barnaby Brocket
John Boyne著、Oliver Jeffers(絵)Doubleday Children's Books

ノーマルであることが重要で、平凡な人生を送ることに全エネルギーを傾けているブロケット夫妻。オーストラリアに住む夫婦には、ふたりのふつうの子どもが生まれ、いたってふつうにくらしていた。3番目の子ども、バーナビーが生まれるまでは。

バーナビーの何がふつうじゃないかというと、どんどん宙に浮いてしまうこと。生まれた瞬間から宙に浮くバーナビー。家では、ぶつかっても痛くないように天井にマットレスを打ち付けなくてはならないしまつ。油断すると飛んでいってしまうので、ヒモでつないだり、重りを背負わせたりしないとならない。

ノーマルな人生を切望していたブロケット夫妻にとって、これは由々しき事態である。空に浮く子どもがいるなんて、近所のウワサになるし、恥ずかしいし、世間の注目を浴びるし、とにかくアブノーマルだからだ。

だけど、ブロケット家の長男と長女、つまりバーナビーの兄と姉は、そんな弟をクール!と思って気にしてない。それが両親にはサッパリ理解できない。

散歩させると目立つからといって家に閉じ込めてたので、幽霊みたいに色白になっちゃうバーナビー。近所の子どもと同じ学校だとウワサになるからと「the Graveling Academy for Unwanted Children」なんて名前の学校に通うハメになるバーナビー。

しかし、ついに両親は、バーナビーが8歳になったある日、とてもふつうとはいえない決断を下すのである。かくしてバーナビーの冒険がはじまるのだった。

"the point is, just because your version of normal isn't the same as someone else's version doesn't mean that there's anything wrong with you."

本書ではこんな台詞も出てくるように、ふつうって何だろう、ちょっと違ってたっていいじゃない、というテーマの話ではあるんですが、バーナビーの両親がひどい。何故そこまで「ノーマルであること」にこだわるのか。その理由はあとで明かされるとはいえ、バーナビーに対してはっきりいって鬼畜です。

ちょっとシュールな数々の冒険を終えて迎えるラストには仰天しました。心を入れ替えるとか、反省してやりなおすとか、そういうことはナイ(キッパリ)。まあ、三つ子の魂百までだし。そんな大人には見切りをつけろ、と言わんばかりのオチが待っている。これがハッピーエンドかそうじゃないのかは読む人によってとらえ方が変わってくるかも。

児童書にありがちなラストにならないところが、なかなか興味深い1冊でした。ちなみに著者は『縞模様のパジャマの少年』の作者でもあります。もしかして、だからなのか、このオチは…。
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by rivarisaia | 2013-04-15 23:09 | | Trackback | Comments(0)

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