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とんかつ大将

川島雄三のとんかつもの。『とんかつ一代』のほうが断然好きだけど、これはこれで安心して観られる下町人情話です。

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とんかつ大将 』監督:川島雄三

とんかつが大好きなのでみんなから「とんかつ大将」と呼ばれているお医者さん(佐野周二)が主人公。貧乏長屋に住んでいるとんかつ大将は、義理人情に厚く、町の人々から慕われている。ある日、とんかつ大将は大病院の院長である真弓(津島恵子)と知り合う。お互い第一印象は最悪だったけど、ふたりとも医者であることがわかり、話が進むにつれて相手のことが気になりだして…という王道展開が待ってるわけですが、その合間に

・拡張を目論んだ大病院による、長屋立ち退き事件
・とんかつ大将の過去の哀しい恋愛事情
・とんかつ大将をめぐる現在の三角関係


などのエピソードが挟まれ、とんかつ大将が昔の恋人の子どもの手術を手がけるはめになったり、手術中に病院が燃え上がったり、目の見えない女の子が手術で「先生の顔が見えるわ!」というこれまたベタなことが起きたり、とんかつ大将の正体が判明して、長屋中が大騒ぎになったりします。

もりだくさんなわけですが、そんななかで私がもっとも驚いたのは、

とんかつが大好きなとんかつ大将が、
映画のなかでとんかつを食べる場面がほとんどナイ


ということです。料理屋にとんかつ食べにいく場面はあるんだけど、ちょっとした事件があってとんかつは食べられないまま終わる。そのときとんかつ大将が活躍したお礼に、長屋にとんかつが届けられるのだが、大将は同じ長屋に住む目の見えない女の子にあげちゃって、自分は煮物を食べるのだ。

ただ、このときに一口だけつまんだような気がするけど。あとはラストシーンで、事情により大阪に行かねばならなくなったとんかつ大将に、とんかつのお土産が手渡される。

とんかつ大将、もっとガッツリ、いつでもどこでもとんかつ食べてるのかと思ってたら!

そんなわけで、観賞後にやたらとんかつが食べたくなるのは『とんかつ一代』に軍配があがりますが、きっと当時はまだまだとんかつは贅沢なごちそうの時代だったのですね。いや、いまでもとんかつは私的にはごちそうの部類に入りますけどね。だってしょっちゅう食べないし。
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by rivarisaia | 2013-04-22 21:28 | 映画/日本 | Comments(0)