雨に唄えば
2013年 12月 10日
ちょっと前に久々に観たんですが、そういやミュージカル嫌いの家人にみせたらすんごい不評だったという衝撃の記憶がよみがえりました。
『雨に唄えば(Singin' in the Rain)』監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
いわずとしれたあらすじ。
わたしは最初のドナルド・オコナーのアクロバティックな踊りと歌が大好きなのだが、この時点で家人は「彼は無理に明るくふるまってる感じがして、痛々しい」などと言うのである。
そうかなあと内心首かしげつつも、そんなわたしも体調悪いのに仕事の電話にはつい明るく対応しちゃったりすることあるよな……とわが身を振り返り、「ドンは俳優に出世してモテモテだけど、コズモには彼女もいないし……苦悩を表に出してないだけかも……明るい人こそツラいことを耐えたりしてるわけですよ!!」とどんよりした挙げ句に拳を握りしめたくもなってくるのである。
気をとりなおして、平穏に歌やダンスや、かわいい衣装などを楽しみつつ鑑賞を続行し、しかし問題はラストなのであった。
ここで、家人が「ひどい! これじゃあイジメじゃん。いくらこの女優が性格悪いからって、公衆の面前でここまでやる必要があるのか」と怒りはじめ、その後、ドンとキャシーがふたりで歌いながら抱き合って「The End」になると、「なんだよ、こいつら。後味悪くないのかよ。なんかひでえ話だな!」と言い捨てたのであった。
うむ。
その視点でふりかえると、確かにリーナは性格が悪いんだけど、まわりがちやほや甘やかしてきたわけだし、ドンもドンだよなあという気もしてくる。ドンはリーナあっての自分の人気とわかっていて、彼女を利用している部分もあったのかもしれない。
吹替えのアイデアも「このままじゃ俳優人生が終わる」と嘆くドンのためにコズモが考えて、それに乗っかったのは社長だしなー。リーナに隠して進めたのはやっぱマズいよなあ。
ああ、なんだかわたしまで、一生懸命、歌の吹替えしてたリーナが可哀想になってきました…。
そこで。
リーナはがんばってコメディ女優として銀幕にカムバックしたらいいのではないかとおもう。反省したコズモが一肌脱いでコンビを組むというのはどうか。よし、仮に続編ができるとしたら、それでいこう!
ちなみにリーナに同情する人は意外と多いらしく、彼女を応援するサイトもいくつか海外にあったりしたのも発見でございましたよ。がんばれリーナ!
『雨に唄えば(Singin' in the Rain)』監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン
いわずとしれたあらすじ。
ヴォードヴィルの人気者、ドン(ジーン・ケリー)とコズモ(ドナルド・オコナー)はハリウッドにやってきた。ワガママ女優リーナ・ラモント(ジーン・ヘイゲン)と組んでサイレント映画の大スターとなったドンは、新人女優のキャシー(デビー・レイノルズ)と恋におちる。
おりしもハリウッドにはトーキーの波が押し寄せ、映画会社はドンとリーナの映画をトーキーにすると決定。ところがリーナの声が使いものにならない。そこで、リーナの声をキャシーに吹替えさせることにするが…
わたしは最初のドナルド・オコナーのアクロバティックな踊りと歌が大好きなのだが、この時点で家人は「彼は無理に明るくふるまってる感じがして、痛々しい」などと言うのである。
そうかなあと内心首かしげつつも、そんなわたしも体調悪いのに仕事の電話にはつい明るく対応しちゃったりすることあるよな……とわが身を振り返り、「ドンは俳優に出世してモテモテだけど、コズモには彼女もいないし……苦悩を表に出してないだけかも……明るい人こそツラいことを耐えたりしてるわけですよ!!」とどんよりした挙げ句に拳を握りしめたくもなってくるのである。
気をとりなおして、平穏に歌やダンスや、かわいい衣装などを楽しみつつ鑑賞を続行し、しかし問題はラストなのであった。
高慢なリーナが、「私の声はずーっとキャシーに吹替えさせる」と言うのだが、それを理不尽だと考えたドンとコズモと映画会社の社長は、みんなの前で「リーナの声は偽物だ!」と暴露することに。
舞台で歌う(フリをする)リーナ。実際には幕の後ろで吹替えのキャシーが歌っているのだが、ドンとコズモと社長トリオは嬉々として幕をあげ、「この人の声はじつは吹替えでーす」と観客にバラすのでありました。
ここで、家人が「ひどい! これじゃあイジメじゃん。いくらこの女優が性格悪いからって、公衆の面前でここまでやる必要があるのか」と怒りはじめ、その後、ドンとキャシーがふたりで歌いながら抱き合って「The End」になると、「なんだよ、こいつら。後味悪くないのかよ。なんかひでえ話だな!」と言い捨てたのであった。
うむ。
その視点でふりかえると、確かにリーナは性格が悪いんだけど、まわりがちやほや甘やかしてきたわけだし、ドンもドンだよなあという気もしてくる。ドンはリーナあっての自分の人気とわかっていて、彼女を利用している部分もあったのかもしれない。
吹替えのアイデアも「このままじゃ俳優人生が終わる」と嘆くドンのためにコズモが考えて、それに乗っかったのは社長だしなー。リーナに隠して進めたのはやっぱマズいよなあ。
ああ、なんだかわたしまで、一生懸命、歌の吹替えしてたリーナが可哀想になってきました…。
そこで。
リーナはがんばってコメディ女優として銀幕にカムバックしたらいいのではないかとおもう。反省したコズモが一肌脱いでコンビを組むというのはどうか。よし、仮に続編ができるとしたら、それでいこう!
ちなみにリーナに同情する人は意外と多いらしく、彼女を応援するサイトもいくつか海外にあったりしたのも発見でございましたよ。がんばれリーナ!
Commented
by
fontanka
at 2013-12-11 20:23
x
我が家もリーナ派です。
いえ、最初に見たとき(若い時→遠い目)は、単純にキャシーを応援してましたよ。でも最近夫とちゃんとみたら、リーナに対してひどすぎる→多数いると知って安心しました。
似たように思ったのは「ワーキング・ガール」で、恋愛については、「出し抜き」はしかたない許そう。
しかし、人が入院している間に服とか勝手に着るのはどうなのよっておもいませんでしたか?
いえ、最初に見たとき(若い時→遠い目)は、単純にキャシーを応援してましたよ。でも最近夫とちゃんとみたら、リーナに対してひどすぎる→多数いると知って安心しました。
似たように思ったのは「ワーキング・ガール」で、恋愛については、「出し抜き」はしかたない許そう。
しかし、人が入院している間に服とか勝手に着るのはどうなのよっておもいませんでしたか?
0
Commented
by
rivarisaia at 2013-12-13 00:24
ナカーマ! リーナかわいそうですよね。たしかに性格に難があるけど、声がひどいっていうのは変えようがないのに!(しゃべり方は訓練すればなんとかなるにしても)。
『ワーキング・ガール』もわかります〜。最初みたときはスカッとしたけど、何度かみているうちに、自分のアイデアを上司に盗まれたからって、逆に上司のアイデンティティを盗み返すっていうのが、どうもスッキリしない気分に。
恋愛面については、婚約してたくせにそんな急に気が変わるような男で大丈夫か…という気が。
『ワーキング・ガール』もわかります〜。最初みたときはスカッとしたけど、何度かみているうちに、自分のアイデアを上司に盗まれたからって、逆に上司のアイデンティティを盗み返すっていうのが、どうもスッキリしない気分に。
恋愛面については、婚約してたくせにそんな急に気が変わるような男で大丈夫か…という気が。
Commented
by
fontanka
at 2013-12-13 21:26
x
「ワーキング・ガール」に同感してくれる人がいてうれしいです!
Commented
by
rivarisaia at 2013-12-16 01:24
ふとおもいだしたけど、アメリカの寮のルームメイトは断りもなく勝手に人の服を着る人だったので、もしかすると人の服を勝手に着る人っていうのは一定数存在するのかもしれませんよ!
by rivarisaia
| 2013-12-10 22:45
| 映画/洋画
|
Trackback
|
Comments(4)