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蝶採り

キアゲハが着々とサナギになっていますが、サナギでかい! ナミアゲハのサナギカップに入らないので、カップを作り直さないといけないなー。

さて本日は蝶つながりでイオセリアーニの映画です。でもタイトルに「蝶」が付くだけで、アゲハ蝶が出てくるわけではございません。

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蝶採り(La Chasse aux Papillons)』監督:オタール・イオセリアーニ

イオセリアーニとフェリーニは私の中で同じ香りのする監督なんですが、何でだろう。共通してるのは、観終わった後に美しい印象が残るんだけど、それをどうにも言葉で説明しにくい、という点かも。

そしてこれも不思議な映画です。

説明しにくいあらすじ。

フランスの片田舎の城館にくらす女主人とその従姉妹というふたりの老婦人。魚釣りしたり、オーケストラで演奏したり、射撃の練習をしたり、のんびりお茶したり、近隣にマハラジャ御一行がやってきたり、城館を売ってほしいという日本のビジネスマンを追い返したり……と毎日のんびりしているようでいろいろ忙しい。

ところがある日、城館の女主人だった老婦人が亡くなってしまい……


観光バスから着物姿の日本女性の団体が降りて来て、写真を撮り始めるシーンという異様で可笑しい場面もあり、今観ると時代を感じますね。ジャパンマネーが幅を効かせていた時代(大体からして何故、着物で観光を!? 今ならこれは中国人になるのかな)。

キモノの女性の団体は、平穏な日常にときおり侵入しようとする非日常の象徴かもしれませんね。観光客が通った後、せっせと掃除機をかける執事は、日常を取り戻すべく非日常の痕跡をせっせと消そうとしているのかも。がしかし、非日常がいずれは日常に取って代わるのでありました。時代は変化していくのよねえ、淋しいことに。

映画のラストには、あまりに異様な光景が待ち受けてて、きっとみんな腰抜かしますよ(あのセンス酷すぎる!)

ラストに至るまでにも何度か「ええ!?」と目が点になっちゃったりする展開があるのですが、合間にふと挟み込まれる幻想的な場面が美しい。たとえば、死に行く魂のように一頭の馬が駆けていったり、幽霊たちが月明かりの中でビリヤードをしたり。

本作の英題は「Chasing Butterflies=蝶を追う」で、「捕まえることのできないものを追いかける」という意味なのですが、この映画での蝶は何だろう。時間かなあ。何が起ころうが「時」は決して止まることなく、ただ粛々と流れていくのです、という話のような気もしてきました。

城館はそこにあるけど、貴族の時代は終わりを告げて、ビジネスマンと労働者の時代がやってくる。世界は今日も動いてる。
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by rivarisaia | 2014-10-21 17:41 | 映画/洋画 | Comments(0)