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ヒトラーの忘れもの(映画祭でのタイトル:地雷と少年兵)

東京国際映画祭の4本目は、個人的にダントツの作品でした。日本での公開決まったみたいなので、ぜひとも観てほしいです。

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地雷と少年兵(Land of Mine/Under Sandet)』監督:マーチン・ピータ・サンフリト

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツはデンマークの海岸に二百万個以上もの地雷を埋めた。そして終戦直後、その地雷の撤去作業に駆り出されたのは、捕虜となったドイツ軍の少年兵たちであった。

実話をもとにした物語(フィクション)です。

かつて友人と死刑制度の話をしてたときに、凶悪な犯罪者の場合は死刑って生ぬるいから地雷撤去させたらどうか、という結論に至ったことがあります。まさか現実にそれに近いことがあったとはつゆ知らず。そんなこと思い出しつつ、軽い気持ちで本作を観た。

かなり冒頭から、ドイツの少年兵たちが地雷撤去のハウツーを叩き込まれる場面があり、そして早々に少年たちは鬼軍曹の待つ現場に送られる。ここから先は、鬼軍曹の下で、ひたすら地雷を撤去する日々がスタートします。浜辺一帯に埋まる地雷をひとつ残らず取り除けばドイツに帰れる!という希望を胸に、黙々と作業する少年たち。帰ったらドイツを復興させるんだ!と未来を夢見る少年たち。

そんな少年たちに厳しく接する鬼軍曹ですが、憎きナチスとはいえ、彼らはまだあどけない少年じゃないか、と葛藤します。果たして彼らにそこまでの戦争責任はあるのか。

実話を元にしていますが、あくまで映画はフィクションであるところがポイント。だから辛いけれども要所要所で救いもある話になっていて、この鬼軍曹の存在は、デンマークの当時揺れ動いだであろう気持ちと、現在の贖罪の気持ちを表しているのかもしれません。鬼軍曹、すばらしいキャスティングですよ。

それにしても、この映画にみなぎる緊張感たるやただものではなく、なにせ扱っているものが「地雷」なので、いつどこで爆発するのかわかんないわけですよ。訓練シーンから、ずーっとドキドキするはめになり、びっくりしやすい私は何度か座席から「ひゃっ!」って飛び上がった。この緊張感を味わってほしいので、できれば映画館を推奨します。

実際に地雷が埋められていた海岸で撮影されており、映画の撮影時にも不発弾が見つかったそうです。白い浜辺と薄青い海がどこまでも美しくて、人間の愚かさとは対照的なのでした。

戦後70年経ったから、ようやく描けるデンマークの暗部。こういう作品が作られるのはすごいよね。今回はあえて予告は貼りません。

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Commented at 2015-11-15 12:06 x
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Commented by rivarisaia at 2015-11-16 23:24
この映画、公開されたらぜひ観てみてくださいー。
現実はもっと悲惨だったかもしれないけど、映画はそこまでグロテスクな描き方をしていないのは、多くの人に観てもらいたいからかなーとも感じました。

そのドイツ兵には何があって、そしてその後、どういう人生を送ったんでしょうね。
本当に、いろいろな運命がありますね。。。
Commented at 2015-11-17 20:20 x
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Commented by rivarisaia at 2015-11-19 23:49
あら、それ面白そう。ちょうどNHK BSで放映してるんですねー。
今度観てみます!

戦争は始めるのは、勢いに乗って簡単にできちゃうんだろうけど、終わらせるのは難しいですよね。日本だって、70年経ってるけど、いまだにもめてるし。

わたし、湾岸戦争あたりからずーっとゆるゆると第三次世界大戦っぽいな…と感じてて、そろそろ終わるかな?とおもうと911だの、ISだのがやってくるので、なんともうんざりします。。。早く平和こないかなー。
Commented by kogarinta at 2015-12-16 15:04
初めまして、こんにちは!
私もこの作品、今回のコンペティション作品の中でイチオシでした!
内容…すごい作品だと思いましたし、監督が本作を作った意図にも感銘を受けました。
色々逡巡しながらも、ダークサイドを認めてさらけ出す勇気が良かったと思います。
Commented by rivarisaia at 2015-12-21 17:03
>kogarintaさん、こんにちは!
「ここなつ映画レビュー」読んでますよ! よくTBしてもらっているのに、最近無精で全然お返しできてなくてすみません。来年こそもっとマメな人になる努力をします……。

今回、そんなに観てないけれど、本作はイチオシでした。Q&Aのある上映に行けなかったのが残念です。キャスティングもよかったですよね。公開決まって、多くの人が観られる機会が増えて嬉しいです。
Commented at 2016-03-17 20:04 x
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Commented by rivarisaia at 2016-03-18 23:03
ああ、なるほど、それはありそうな話ですね。勝っても負けても戦争の後始末は本当に辛いものがありますよね。だからやっぱりできるだけ始めないように努力したほうがいいな、とつくづく思います。
Commented at 2016-03-19 15:01 x
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Commented by rivarisaia at 2016-03-27 18:30
戦争経験者の方のお話は、本人が語る話、周りの人が語る話、それぞれ視点が異なると同じ体験談も違って感じられたりもしますよね。

第三者からするとかっこよく見えたりすることも、現実に体験するのとでは大きなギャップがあるような気がします。
Commented by 古島 at 2016-12-11 21:43 x
この作品、今朝の毎日新聞で取り上げられていましたよ(たぶん、これだと)。やはり、見る人は見ています。
Commented by rivarisaia at 2016-12-14 21:59
そうだ、この作品、映画祭公開時と一般公開のタイトルに変更があったのでした。タイトル注釈入れておきますねー。
by rivarisaia | 2015-11-14 00:19 | 映画/洋画 | Comments(12)