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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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Bajiao Mastani

観る機会を逸していたら、キネカ大森で上映会が開かれたので行ってきました。歴史上の人物を主人公にした映画です。私は知らなかったけど、あとで調べてみると世界史の有名カップルとしてたまに取り上げられる人たちでした。

Bajiao Mastani バージーラーオ マスタニー』監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー

映画の前後に、史実を忠実に映画化したのではないという説明が出るんですけど、まあそうですよね。歴史にありがちですが、女性のほうは記録があまり残っていないみたい。

18世紀のインドが舞台です。ムガル帝国と対立していたマラーター王国で、バージーラーオが新たな宰相に決まったところから映画はスタート。

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固有名詞が呪文のように聞こえても気にするな! ランヴィール・シン演じるバージーラーオーはこんな人です。

バージーラーオが戦いで遠征していたある日のこと。ブンデールカンドの領主の娘マスタニーが助けを求めにやってきました。

Bajiao Mastani_b0087556_13563822.png
ディーピカー・パードゥコーン演じるマスタニー。

マスタニーは武芸に秀でており、バージーラーオは感銘を受ける。ふたりは共に戦い、彼女に惹かれたバージーラーオは、自分の短剣をプレゼントするのだが、ブンデールカンドでは、

男が女に短剣を贈る=結婚の申し入れ

という意味になるのだった。そこでマスタニーは、バージーラーオの求婚を受け入れる決意をして、彼のもとに赴くのですが、ところがしかし、ここでひとつ問題が。

マスタニーの母親がイスラム教徒だったのである。

バージーラーオには彼を心から愛する正妻カーシーバーイーがおり、突然の愛人の出現に心かきみだされ、マスタニーに嫉妬を抱きます。

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プリヤンカー・チョープラー演じる正妻カーシバーイー。正妻として堂々と立ち振るまい、悲しみ、苦しみつつも最終的にはマスタニーを受け入れようと決意していくという難しい役どころ。

いっぽうでバージーラーオの母親や弟、ヒンズーの僧侶たちは、マスタニーに敵意をあらわにし、半分イスラム教徒の踊り子を受け入れることなどできないと憤り、何かにつけて嫌がらせをする。

そうした状況で、バージーラーオとマスタニーは愛を深めていくのだが……

という、悲恋物語+異なる宗教に対する寛容/不寛容の話です。

衣装や宝飾品のデザイン、建築物やインテリアや小道具の意匠が美しくて、今回は英語字幕での上映だったんですけども、画面の隅々にまで目を奪われてしまい、字幕をちゃんと読むヒマなかった。。。

あとこの映画をきっかけに、ムガール帝国(イスラーム)が力を失いつつある時代の、ヒンズーとイスラームの力関係にもちょっと興味がわいたし、マラーター同盟とかまったく覚えてなかったし(※私、高校は世界史専攻である)、ムガール朝のデザインもやっぱりすてきだなーとうっとりしたので、いずれいろいろと調べてみよう!という気になりました。ムガール朝の服飾の豆本作ろうかな〜(→なんでも豆本にしようとする癖)。


本日のおまけ:うわーきれいー。






Commented by fontanka at 2016-02-16 23:17 x
きれい~
「絵」として見たい~
でも、今(?)、「葛藤もの」は見たくないんですねぇ。
Commented at 2016-02-18 20:11 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2016-02-22 16:46
>Fontanaさん
画面がそりゃあもう綺麗で、観ているこちらの目もきらきらしました。
Commented by rivarisaia at 2016-02-22 16:50
>鍵コメさま
私、おススメされていたでしょうか!? すみません、私、記憶もれしているような気がしますが、すっごく面白そう! さっそく読む本リストに入れました(絶版のようなので図書館で探してみますねー)。
東インド会社とかオランダ商船、わーすごく楽しそう。帆船ものいいですよね〜。おまけにちょうどムガール帝国衰退期。
ありがとうございます!
Commented at 2016-02-28 09:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2016-03-03 23:21
ああ、そうなんですよ! 私も帆船の話は好きなんですけど、いつまでたっても用語がよく理解できなくて、いったいどこで何が起きているのかぼんやりとしかイメージできなかったりなんてこともしょっちゅうです....。挿絵があったりすると、便利なのにー。

"舵"の役割けっこう大事よね、などと思いながら、ふとアマゾンで「舵」と検索してみたら、月刊「舵」という雑誌がヒットしました(ヨットの雑誌らしい)。
Commented at 2016-03-05 11:21 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2016-03-10 00:10
『幻影の航海』も面白そうです。あらすじだけ読むと、「パイレーツ・オブ・カリビアン」っぽい....。その意外な発想がきになるので、こちらも今度読むリストに入れておきますー。史実と比べ読みするのも楽しそう。。。
by rivarisaia | 2016-02-15 15:27 | 映画/アジア | Trackback | Comments(8)