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ソング・オブ・ザ・シー 海のうた

とても観たかったので、一般公開されることになって本当によかった! 『ブレンダンとケルズの秘密』の監督による新作アニメーションです。

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ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』監督:トム・ムーア

アイルランドの神話をもとにしたお話。前作同様、本作もまた、ラインと模様が色鮮やかな画面の中を流れるように動きまわって、それはそれは美しく、そして透き通るような歌声が心に沁みるという、すてきな作品なのだった。

海辺の灯台の家で、父と妹シアーシャ、愛犬クーと暮らしている少年ベン。
幼い頃、たくさんの物語を聞かせてくれて、いにしえの歌を歌ってくれたベンのお母さんは、シアーシャを産んだ日に、海に消えてしまう。お母さんがいなくなったのは妹のせいだと思っているベンは、どうしてもシアーシャにやさしくすることができないのだった。
ところが、シアーシャの6歳の誕生日に思いもよらない出来事が起こり、ベンは妹を救うために、不思議な冒険に出ることに……
小さなアザラシのようなシアーシャがたいそうかわいらしいのですが、そんな妹に意地悪ばかりしていたお兄ちゃんが奮起する、「お兄ちゃん映画」としても秀逸で、途中からお兄ちゃんの勇気に涙出ちゃうことうけあい。

海ではアザラシ、陸では人間の女性の姿をしている妖精セルキー、フクロウの魔女、悲しみのあまり石になってしまった伝説の巨人、愛らしいおじいちゃん妖精ディーナシーに、長い長い髪の毛をもつ語り部の老人。

アイルランドの神話や伝説のモチーフがぎっしりつまっていて、それは遠い昔の物語ではなく、現在にも脈々と受け継がれている物語なのでした。同時に、大事な人を失ってしまった悲しみを乗り越えて、石のように固まってしまった心をゆっくりと癒していくような、そんな話でもあります。

「アザラシ妻」の物語は以前どこかで読んだ記憶があるんだけれども、アイルランドの神話や伝説を知っていれば、さらに面白い発見もありそう。そのうちきちんとアイルランドの伝説を読んでみよう。


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Commented by 古島 at 2016-09-03 12:54 x
  ひさしぶりのコメントです。これもまたおもしろそうですね。見に行きたいものです。しかし我が町の映画館が受け入れてくれるでしょうか・・・・・・。田舎じゃあ、どうしても
「いかにもうけそうな映画」
に限定されてしまうんですよね……・
  ピーター・トレメインというひとが、大昔のアイルランドを舞台にした推理小説を書いていますよ。数多く。気が向いたら試してくださいな。あと虎哉孝征というひとが未来の北アイルランドを舞台にした冒険物語を描いています。あまり売れなかった様子で、もうブックライナーとe-honしか扱っていませんが(僕は気に入ったんですけれど)
Commented by rivarisaia at 2016-09-04 16:58
都内でも単館上映なので、なかなか観に行けない人も多いのではないかと思うのですが、細々とでもいいので全国巡回上映するといいのになーと思っています。それがダメなら、せめてDVD出してほしい。

本当に画面が動く絵画のようできれいなんですよー。多くの人にみてもらいたいー。

ピーター・トレメイン、わたしも修道女フィデルマシリーズを愛読してます! 邦訳でしか読んでないのですが、面白いですよね。虎哉孝征は初耳でした。探してみますね! ありがとうございます。
Commented by 古島 at 2016-09-05 19:48 x
  フィデルマ・シリーズご存知でしたか。さすが。機会があったら
「エルサレムから来た悪魔」
も読んでみてください。・・・・・・悔しいことにこちらはフィデルマ・シリーズほど売れなかったようでして。もう新品で買えません。
  ちょっと思い出したことがあります。大昔、ある本で
「ケネディは史上初のアイルランド系米大統領だったと言われているだろう?これはちょっと違う。ケネディ以前にも、アイルランド系の大統領はいたのだ。しかしそのひとたちはイングランド系アイルランド人やスコットランド系アイルランド人の子孫だった」
という話を読みまして。若い私は好奇心に駆られ図書館であれこれ調べたのです。
  ブキャナン(十五代目)とジャクソン(七代目)がスコットランド系アイルランド人の血筋だったというのはわかりました。あとは五里霧中。気のせいか、どの資料も各大統領の血筋については言及を避けているように思えました。ハーディングと言う大統領は、わずかにアフリカの血を引いていたようですが……
Commented by nick at 2016-09-11 17:38 x
いつも楽しく読ませていただいております。
アザラシといえばジョン・セイルズの「フィオナの海」もその民話がベースだったかもです。
Commented by rivarisaia at 2016-09-12 23:55
>古島さん

「エルサレムから来た悪魔」は鍵コメントの方から以前おすすめされていた本で、ちょうど読むリストに入ってました! まだ読んでないけど、必ず読みます〜。これもシリーズになってるんですよね。楽しみ。

ところで、言われてみれば、確かに米大統領の血筋って詳しいことはあまり聞かないかもしれません。大統領のご先祖をたどってみると、移民の歴史の観点からも興味深そうですね。
Commented by rivarisaia at 2016-09-12 23:58
>nickさん

こんにちは! そういえば『フィオナの海』ってありましたね。あれもセルキーの話ですよね、なつかしい! 確か原作本も出ていたような記憶で、未読なので今度読んでみます。
by rivarisaia | 2016-08-29 19:45 | 映画/洋画 | Comments(6)