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アンダーグラウンド:愛すべきユーゴの人々の物語

今回、クロアチアとセルビア・モンテネグロという旧ユーゴスラヴィアの国々がワールド・カップに出場しています。セルビア・モンテネグロとしての出場は今回が最初で最後。次回からは2つの国に分かれることになります。
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ユーゴスラヴィアと言えば、まず思い浮かぶのがエミール・クストリッツァ監督の映画『アンダーグラウンド(Underground)』。映画が描くのは旧ユーゴスラヴィアが辿った哀しい歴史ですが、喜劇と悲劇が混在した中にあふれ出すエネルギーとテンション、そしてあの印象的なラストシーンは忘れられません。

そしてもうひとつ思い出すのが、仕事を通じて知り合った Skart(シュカルツ:セルビア語でスクラップという意味)というデザイン・グループ。

何年か前たまたま彼らと会う機会があった際、開口一番に「明日、僕の生まれ故郷をNATOが爆撃する予定なんだよね」と言われたことを思い出します。返す言葉もなく、遠い国の出来事が一気に身近になった瞬間でした。

ベオグラードを拠点に活動していた彼らは、紛争中、反戦の地下活動なども行なっていました。そんな彼らがセルビアの主婦たちと一緒に手がけたプロジェクトが「cook」シリーズです。
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失われかけていたセルビアの伝統的な刺繍。1枚1枚に、それぞれの作り手が考えたスローガンも一緒に縫い取られています。素朴だけど、どれもすごく味わいがあって大好き。

Skartのサイトはまだないのですが、コチラでいくつかの作品を見ることができます。

元気?ワールド・カップ見てる?というメールをきっかけに、先日、お互いの近況報告を交わしました。世界地図からユーゴスラヴィアの名前が消えてしまって3年。現在のSkartは、小さな本のシリーズを出版する計画があったり、コーラスとオーケストラを主催したり、建築のコンペに参加したりと相変わらず活動的。(建築もやってるの!と私は驚いたのですが、元々2人は建築専攻でした)


時々ユーゴスラヴィアのことを思い出すと悲しい気持ちになる。
文句を言うのは嫌なんだけど、残念なことにセルビアの状況はよくないし、
復興のスピードは非常に遅い。

でも僕は楽観主義です。
いつかきっと良くなるにちがいない。

と、送られてきたメールの最後に書いてありました。

「この物語に終わりはない」という『アンダーグラウンド』の言葉の通り、旧ユーゴスラヴィアの人々の物語はまだまだ続く。新しい章が始まったばかりなのかもしれません。
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by rivarisaia | 2006-06-21 23:44 | 映画/洋画 | Comments(0)