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宇宙から来たツタンカーメンの思い出

家の近所で「盆踊り大会」のチラシが貼ってあるのを目にしました。盆踊りと言えば、昨年の7月、世間ではぶっちぎりでワースト映画の呼び声高い『死霊の盆踊り(Orgy of the Dead)』のDVDが発売されて、めまいがしたのを思い出します。なんでそんなことを思い出してしまったのか。できれば忘れていたかった...。「こっちも忘れてたのに、思い出させんな!」と怒る人もいるかもしれません。すみません。

この映画のあらすじについては書きませんので、見てないから知りたいという人は検索してください。ひとことだけ言っておきますと、正直、苦痛を通り越してもはや拷問映画です。あちこちで最低だと連発されていた実写版『デビルマン』とどっちがワーストなのか、『デビルマン』未見の私としては気になるところですが、両方見たという奇特な友人から「この2本立てで人を発狂させることが可能ではなかろうか」と言われました。えっ、そんなに? ひぃ恐ろしや。

さて、最低映画、B級、C級とか飛び越えてもはやZ級などと言われる映画も、TVで深夜にやっているのを横目で見る程度ならダメージが少ない場合もあります。くだらない映画なんてすぐに忘れちゃえばいいんだしね! しかし、私はあの淀川さんの日曜洋画劇場で、くだらないのにいつまでも忘れられない、ぶっ飛んだ映画を見た記憶がある。それが、『宇宙から来たツタンカーメン (Time Walker)』。
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もう、本当に何だよそれって感じがタイトルから漂ってますね。allcinema ONLINEによると、『消えたミイラ!全裸美女に迫る古代エジプトの魔神』『タイム・ウォーカー/時空の聖櫃』と全然違う邦題で放映されている形跡がある様子。あらすじはというと、

古代遺跡から石棺が発見される。大学の研究室で棺にX線を照射すると、中のミイラが蘇ってしまう。一方、石棺には緑色の宝石が隠されており、それを学生の1人が盗んで恋人などに渡してしまっていた。次々と夜のキャンパスで学生たちを殺しながら、盗まれた宝石を取り返していくミイラ。そんなミイラの身体には人体を食い尽くす正体不明の緑色の苔も付着していたのだった...。

この時点で、描きたい恐怖が「殺戮 by ミイラ」なのか、「正体不明の緑ゴケ」なのか中途半端なうえに、ミイラ自体が全然怖くないため、油断して見ていたら予想だにしないオチが待ってました。誰も見なくていいと思うのでネタバレします。

全部の宝石の回収に成功したミイラがいきなり宇宙人に変身。そしてミイラ...もとい宇宙人は研究室の教授に手を差し伸べる。宇宙人の手を握り返す教授。まさに次の瞬間、

2人とも星空の彼方へと飛び去っていった...。そして

後に残された主人公の学生が宇宙人が置いていった宝石を手にとると、手がただれていく。ギャー! --完--

えーー? 教授!ちょっと待って!なんで行っちゃうの? で、この宝石はどうすりゃいいのですかー?

描きたい恐怖はどうやらミイラ=エイリアンだったのか?と思っていたら、突然訪れる『E.T.』とも『未知との遭遇』とも取れる意味不明なラスト。なぜ、教授が宇宙人と手を取り合って去っていったのかさっぱり分からず。確かにストーリーはタイトル通りだ。

唐突なラストの映画は数あれど、ここまで突拍子もないのは見たことがありません。おかげで、本来ならさっさと記憶から抹消できるはずの駄作が、永遠に脳裏に刻み込まれるはめになるという、違った意味でホラーな映画でした。今となっては、番組終了後、淀川さんが何とコメントしてたのかだけが気になります。
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Commented by 始めましての人です at 2006-08-27 17:57 x
邦題でググったら偶然ここに行き着いたので読ませていただきました
私も同じ理由でこの映画が忘れられなくなりました
放映時淀川さんは
「この映画、現代は"Time Walker"というんですけどね
 それを翻訳した題名が「宇宙から来たツタンカーメン」
 もう、題名を見た瞬間にラストがわかってしまいますね
 何でこんな題をつけたんでしょうね」
という感じのことをおっしゃっていた記憶があります
そのコメントもこの映画が忘れられなくなった原因になってます
Commented by rivarisaia at 2006-08-27 18:54
はじめまして! 
この映画を覚えている人がいたなんて、何だか嬉しいです。
しかも淀川さんのコメントの記憶まで! ありがとうございます。
おかげで、ちょっとしたもやもやがスッキリした気分です。

それにしても、淀川さんのおっしゃる通り、いくらB級映画とはいえ、
邦題で思いっきりオチをネタバレするのはアリなのでしょうか。
一方で、この邦題のおかげで忘れられない映画になったわけでもあるのですが。

Commented by 葉月(初めましての人です) at 2006-08-28 12:11 x
今見たら誤字ってますね・・・・恥ずかしいっ
実はこの回の日曜洋画劇場はすごく記憶に残ってるんです
映画のインパクトは言わずもがななんですが
先述したコメントのあと
「昔は翻訳する方が映画をちゃんと見て邦題をつけられていたので
 心に残るいい邦題が多かったのですけど
 今は洋画がたくさん来るのでみなさん映画を見る暇がなく
 題名とだいたいのあらすじだけを見て邦題をつけられるので
 直訳したものや、原題をそのままカタカナにしたものがほとんどです
 仕方がないとはいえ何か寂しいですね」
と淀川さんがおっしゃったのがすごく印象的だったので
この言葉の影響で今でも洋画を見るときは、必ず原題を見てしまいます
Commented by rivarisaia at 2006-08-29 00:13
葉月さん、こんにちは。
淀川さん、さすがにいいことをおっしゃいますねー。
昔の洋画の邦題は本当に良いのが多かったですよね。
最近はカタカナが多くて、何だか味気ないと私も思います。
そのままカタカナで意味がよく分からない映画もちらほら...。
タイトルを考えるのは大変だと思うのですが、そのあたり、配給会社の
方々にはぜひ頑張ってもらいたいところです!
Commented by ないとうみあきち at 2009-09-17 10:49 x
ときどき思い出してて、今日になって初めて検索してこのサイトに・・・
エックス線放射で「死んでるから(出力を)気にする必要はない」というセリフの無責任さがなんとも「いい味出してる」というべきなのか・・・
宝石を取り上げたら爛れるのも唐突ですよね
それにしても怪力すぎです、あの宇宙カーメンは。
作用反作用を無視して(るとしか見えない無造作さ)、人を近年のアニメマンガ並みに吹き飛ばすし、ジェイソンとどっちが強いのか?
戦闘の動画を誰かが作ってたりするのかな?
Commented by rivarisaia at 2009-09-17 21:56
>ないとうみあきちさん、こんにちは!
ときどき思い出す仲間がいてちょっとうれしいです!

死んでるからX線は気にしなくていいと、いちいち言わなくてもいいことを言うところが持ち味なんでしょうか。

あの宝石は一体何なのか、そしてあれをどうしたらいいのか、もしかして続編への伏線?とまで思いましたが、さすがに続編はなかった模様(ここでホッとするべきなのでしょうか)。

カーメンはぶんぶん投げ飛ばしてましたよね。宇宙人だから強いんですかねー。

テレ東あたりで再放送してくれたら、ウッカリまた見ちゃうかもしれません。。。
Commented by レド at 2010-03-24 20:28 x
こんにちは

わたしは中学生のとき日曜洋画劇場でみました

おそらくわたしの持っている感想は世界でもたった一人かもしれません。

すごく感銘、ロマンチック、余韻、記憶に残った映画です。
何十年かぶりにネットで検索してここにたどりつきました。

なぜか考えてみました。

・巨人のようなミイラが宝石を求めて、夜に大学構内を歩きまわって
 いるとき、ふと立ち止まって夜空の月を見上げるシーンがあるのです。
 ジ~ンときました。
 遥か彼方の故郷の星を想っているのだと中学生の僕は考えました。

・日曜洋画劇場の淀川さんの解説が終わって番組が終了し、番組のせつない
メインテーマが流れる中、提供スポンサーのテロップが背景に流れていましたが、その
さらに後ろの背景が月夜を見上げているミイラなのです。

・最後に教授に手を差し伸べたのは理由がありました。
 あのとき、たしか、ミイラが撃たれそうになったのを教授が身をもって制して
 教授が撃たれました。
 その後でミイラが手を差し伸べたんです。

ときどきこの映画を思い出して郷愁を感じていました。
Commented by rivarisaia at 2010-03-24 23:33
レドさん、こんにちは。

月夜を見上げているミイラ、という場面は完全に私のなかから抜け落ちています!そして、ミイラが撃たれそうになったのを教授がかばったというシーンも記憶にない。

レドさんのコメントを見ると、なんだか『E. T.』よりも感動的ではないですか。同じ映画なのに、ここまで持っている印象が違うというのは興味深いです。そして、私のこんな感想に対して、レドさんがこうしたコメントを残してくださって、私はとても嬉しく感じました。

何だかもう1回観てみたい気持ちになってきました…(もちろん淀川さんのコメント付きで)。

本当にありがとう。そして、郷愁を感じていて検索の末にたどりついたところが、こんな感想ですみません...。でも人それぞれ抱く印象はさまざまというのが、まさしく映画っておもしろい!と感じました。
Commented by こーじ at 2011-02-05 20:43 x
先日、NHK-BSでマイケル・クライトン原作の「アンドロメダ…」という映画を見て、この映画を思い出し、ふと検索してみたところこちらにたどりつきました。

ミイラについていた緑色の物質は、このアンドロメダ病原体(放射線の照射で増殖する)をモチーフにしているように思いました。

ちなみに僕もラストシーンはずっこけるよりはちょっと感動してしまった方です、、。
Commented by rivarisaia at 2011-02-06 15:51
>こーじさん、こんにちは!
「アンドロメダ…」見逃した…。そういえば、緑の物質とアンドロメダはちょっと似てますね。

たまにこの映画を思い出し、みたくなるんですが、DVDを借りるほどでもないので深夜のテレビでやってくれたらいいのにな。だんだんとミイラが可哀想な気がしてきて、ホラーというより、ミイラがんばれ、という気持ちになってしまうのでした…。
Commented by ひろし at 2011-12-13 10:15 x
はじめまして!

 先日 所有するビデオを整理していたら日曜洋画劇場版「宇宙から来たツタンカーメン」を発掘しました! 淀川さんの前後解説やCM前後、教授が撃たれて倒れこんだ所~ラストなど欠損が多く残念ではありますが、試しに鑑賞してみた限りでは、それ程 悪くない気がしてしまいました(笑) 噂によるとテレビ放送ではカットされているかも分かりませんが本国版では「つづく?」というテロップが入っているとか(続編ないけど 苦笑)

 この作品は日本ではDVD未発売ですが、何と今年9月頃に海外版DVDが発売されたようです! 内容が内容なだけに他数作品と抱き合わせですが…微妙に欲しいかもと思う今日この頃です(笑)
Commented by rivarisaia at 2011-12-13 20:38
>ひろしさん、こんにちは!

ビデオ録画を持っていたなんてうらやましい! 放映当時はくだらないと思ってたけど、こうやって年月を経てもぜんぜん忘れられない1本になっているので、もう1回みたいです。ということは、それだけ印象的な映画なのかも…という気すらしてきました。

本国版のテロップ、本当に入ってるかどうかぜひとも確かめたいものです〜。

そうか、海外版DVDは存在するのですね。買うのもバカバカしい気がするけど…でもなんだか欲しいかも、と思っちゃうのはどうして!?(笑)

by rivarisaia | 2006-07-15 23:53 | 映画/洋画 | Comments(12)