向こう横町のおいなりさん

これを話すと多くの人に「アンタ、いつの時代のどこの生まれよ!?」と驚かれるのですが、私の生まれ育った町(東京です)には、1980年代半ばまで「きびだんご屋」のおじさんが存在していました。「日本一のきびだんご〜。冷たい、冷やしわらび〜もち」と言いながら、公園まで屋台が来るのです。人気があったのはわらびもち。きびだんごは串にささっているのをおじさんが雑巾のような布でふいてから、きなこをまぶしてくれるので、「汚いから食べちゃだめ」と大人はあまりいい顔をしてませんでした。子どもはおかまいなしですけどね!

同年代もしくは若干上の年代の方々と話をすると、同じ東京でも子ども時代の様相が全然違うので面白い。特にお祭りの屋台の種類には違いが出るので、下町系統に属する人は新興住宅地派から「アンタ、いつの時代の生まれよ!?」と言われることが往々にして起こります。

戦後ウン十年後に生まれた人も懐かしいと思えるかもしれない「子どもの遊び風景」が描かれた本が、
向こう横町のおいなりさん』(長崎源之助 作、梶山俊夫 画、偕成社)です。

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戦時中の横浜の下町を舞台に子どもたちの生き生きした日常を描いた、小学上級以上向けの児童書。天気のいい日は境内でビー玉やめんこで遊んだり、雨の日は駄菓子屋でもんじ焼きを焼いたり...など、子どもの世界はいつの時代も変わらないですね(外で遊ぶ子どもが減った現代は、また違うかもしれないけど)。大きな違いは、楽しい子どもの世界にも戦争の影が着実に忍び寄ってくるところです。

この本の子ども世界では、紙しばい屋がかなり大きなウェイトを占めています。きびだんご屋は来ても、さすがに紙しばい屋は来なかったなあ。余談ですが、私は小学生の頃、この本で「怪談累が淵」を知りました。まあサワリだけなんですが、ちょっと怖かった...。

残念なことに今はもう絶版。図書館にはあるかもしれないね。
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