「ほっ」と。キャンペーン

ユナイテッド93

映画化するには時期尚早なのではないか、そもそも何が起きたのか誰にも分からない機内の様子をリアルに映像化していいのか、という議論はあるものの、やっぱり観に行きました。

ユナイテッド93 (United 93)』 監督 ポール・グリーングラス

7時59分にAA11便が離陸してから10時03分にUA93便が墜落するまでの約2時間、地上の混乱とUA93便の機内の様子を、ドラマチックな演出をできるだけ排除して描いているので、その場で目撃しているかのような異様な緊迫感。ありふれた日常が突然崩壊し、どこにも逃げ場のなくなってしまった乗客たちが味わう絶望や、地上の現場の混乱と無力感を追体験できます。もちろん、どんなに映像がリアルであっても、機内の様子は推測の域を出ませんし、地上の様子も完全に再現できるわけでもないのですが、ひとつの見方としてはよくできている映画ではないでしょうか。

墜落の数分前、一部の乗客は主の祈りを唱え、コックピットではハイジャック犯が同じく祈りの言葉を口にしていたのが印象的。両者とも祈っている神は同じなのに。

9月になると、あーまた9月がやってきた、とふと思ってしまうのは、「9.11以降の世界」が気に入らないからです。「テロ=悪」という単純な図式だけで複雑な世の中を判断する傾向に辟易します。テロは確かに悪なのですが、それで思考停止したり感情に走ったりするのではなく、その背景も探らないと何も解決しないですよね。一方で、陰謀論者の説く「すべてはアメリカ政府の陰謀だ」という主張も受け入れがたい。『Loose Change』も見ましたが、興味深い指摘はあるものの、すべて陰謀というのには無理があると思います。米国政府の思惑は存在すると思うけどね。といいますか、どうして両者とも複雑な世の中をそんなに単純化したいんだ! その方が気分的には楽だけど、世界はカオスなのに。

こうした映画が登場するのに5年という年月が適しているのかどうかは分かりませんが、ようやく冷静に物事を考えられる時期がきたということであればいいなあと思います。

個人的に、この映画の唯一の難点は、手ぶれする画面に少しめまいがしたこと...。映画で気持ち悪くなったのは『ブレアウィッチ』以来かも。手ぶれ映像がダメな人は大画面は辛いかもしれません。
[PR]
Commented by Mocha at 2006-09-03 10:23 x
始めまして♪私も乗員乗客全員死亡の中、家族との電話のやり取りだけで再現するのに疑問がありましたが、観てしまいました。それに私も軽い画面酔いしました。私の場合画面酔いは「ドリヴン」以来です。
Commented by rivarisaia at 2006-09-04 00:36
Mochaさん、はじめまして。
想像するよりほか無いので、ひとつの考え方としてはあるかもしれませんね。
手ぶれが臨場感を出してるんですけどねー、でも酔った...。
Commented by ginpei_chan at 2006-09-08 07:05
こんにちは。
当blogにコメントをいただきましてありがとうございました。
僕も、5年という年月は、振り返るに充分な時間だったんだろうかというのは
疑問、というか、不思議に思いました。
最近、予告編で、オリバー・ストーンの「WTC」の予告も観ましたし。
まだ傷ついてはいるものの、国民が自らあの事件と、それ以降の
アラブとの戦いを総括し始めているのかなと思いました。
それにしては、ブッシュが支持されているのが不思議でなりませんが・・・
Commented by rivarisaia at 2006-09-08 20:22
ginpei_chanさん、こんにちは。
イラク戦争がとりあえず一段落つき始めたってことなのでしょうか。
またはようやく冷静に考えられる時期に入ったばかりなのかもしれません。
オリバー・ストーンの「WTC」はどうなんでしょうね、気になります。
ブッシュが支持されてるのだけは、本当に不思議ですよー。
たぶん、アメリカの都市部では支持率が低いと思うんですけど、
国全体で見ると都市部の割合が圧倒的に低いから、なのでしょうか。
Commented by Hiro-san@ヒロさん日記 at 2006-09-10 04:47 x
こんにちは。はじめまして。墜落前の「謎の3分間」が真相のカギを握っていると思います。撃墜説の証拠をまとめました。
http://www.mypress.jp/v2_writers/hirosan/story/?story_id=1476426
Commented by rivarisaia at 2006-09-11 00:00
Hiro-san、こんにちは。
撃墜説も消えませんね。個人的にはどちらにしても、結果はあまりかわらないだろうと思うのですが、真相はなかなか出てこない気がします。
by rivarisaia | 2006-09-02 23:45 | 映画/洋画 | Comments(6)