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キッチン・ストーリー

まったり映画が続く今日この頃。日々の生活はてんてこまい状態なので、その反動でしょうか。

キッチン・ストーリー(Salmer Fra Kjokkenet/Ktchen Stories)
ノルウェーとスウェーデンの合作で、監督はベント・ハーメル

1950年代初頭。スウェーデンの家庭研究所では、独身男性を対象にした台所での行動パターン調査を実施することになった。ノルウェーの初老の男性イザックの家にも中年の調査員フォルケがやってくる。調査員と対象者との交流はいっさい禁じられていたのだが...。

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台所のすみに設置されたテニスの審判席のような調査椅子から、赤の他人に無言で観察されるというシュールで気まずいシチュエーション。しかしふとしたきっかけから、2人は次第に家族のように親しくなっていきます。

なにせ登場人物がおじさんばかりで、セリフや演出も極力そぎ落とされているので、地味に地味に展開していきますが、この地味さに馴れることができれば、なかなか味わい深い映画です。

予告と実際の映画の印象が違うのは、毎度のことなので驚きもしませんが、この映画もスローライフ系で客よせをもくろんでいた感があります。しかし、北欧からイメージされる「ほのぼの感」を漂わせつつも、実はその奥底で描いているものが「孤独」であったり、「二国間の確執」や「コミュニケーションの大切さ」だったりする点があなどれません。

日本からみれば「北欧」とひとくくりにされてしまうノルウェーとスウェーデンですが、歴史的な事情から仲の良いお隣さん同士というわけでもなさそうだという事情(註1)が、映画の中にちらほらと織り込まれています。そんな緊張感のある関係が友情に変わっていくのは、「会話をすることで相手を知ること」のおかげでした。

それにしても、悲哀とか孤独感がうまくにじみ出ているのは、ひとえに登場人物が「初老の男性」と「中年男性」だったからこそ。女性だったら、また違った風味になったに違いありません。


註1:過去の歴史において、ノルウェーは一時期スウェーデンの支配を受けていたり、第二次世界大戦中には、武装中立を守ったスウェーデンに対し、ノルウェーはナチス・ドイツの侵攻を受けて亡命政府のもとレジスタンス運動が行われていました。
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by rivarisaia | 2006-09-13 22:22 | 映画/洋画 | Comments(0)