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夜と霧

昨日エントリした「映画」があまりにもアレなんで、お約束として重い気分で本日のエントリは『夜と霧 (Nuit et brouillard/Night and Fog)』。

以前紹介した『去年マリエンバートで』のアラン・レネが監督です。
アウシュビッツの「いま」と「あの時」を静かなナレーションと軽やかな音楽ともに淡々と、淡々と、淡々と描く30分強。遺品の山、頭髪の山、死体の山、"毛布"、"石けん"。切り取られたモノクロームの残酷な静止画と、ゆるやかに映し出される青空と緑あふれる廃墟となった収容所。

音楽を担当しているのがハンス・アイスラーだと後で知って、感慨深いものがありました。アイスラーはシェーンベルクの弟子。反ファシズムの曲を作曲し、その活動からナチスの迫害を受けてアメリカに亡命しています。

さて、過剰な演出が一切排除されても、映画はさまざまなことを雄弁に語る。昔観た時には映画中の「戦争はまだ終わっていない」という言葉の意味がよくつかめなかったのですが、あれから60年経ったいまの世界を見てみると、確かにある意味で「戦争は終わっていない」のであった。
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Commented by 江戸川豊 at 2006-10-13 11:11 x
ごぶさた。今、橋本治の「20世紀」という本を読んでます。歴史を俯瞰するような視点がわかりやすい。
ヒトラーは思想的にワーグナー・フリークだったみたいだけど、シェーンベルグが完成させる無調性音楽のきざしが、すでにワーグナーの音楽にあるんだよね。・・・音楽に社会的責任はあるか・・・また話が戻ってきた。
Commented by rivarisaia at 2006-10-13 16:42
ごぶさたしてます。橋本さんの本、私も読んでみよう。
ワーグナーを好きな人は何故だかドップリとはまり込みますね。どうして?
無調性音楽といえば、私には「前衛」というイメージが強いんですが、ワーグナーは当時としては前衛、というか画期的ですよね。音楽に社会的責任があるかどうかわからないですが、似たような話で興味深い記事を見ました。探しておきます。
by rivarisaia | 2006-10-12 23:30 | 映画/洋画 | Comments(2)