ルワンダの涙

ルワンダのジェノサイドといえば、『ホテル・ルワンダ』が記憶に新しいですが、内容は正反対であるため、またルワンダかと思ってはいけません。

ルワンダの涙 (Shooting Dogs)

監督はマイケル・ケイトン=ジョーンズ、共同制作・原案共同執筆はデヴィッド・ベルトン。
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ベルギー軍国連部隊の駐屯地だった公立技術専門学校(ETO)は、何千人というツチ族の避難所となっていたが、国連軍が撤退したわずか数時間後、残された2500人の避難民のほとんどが虐殺された。この場所を舞台に、海外青年協力隊としてルワンダにやってきたイギリス人の青年ジョー(ヒュー・ダンシー)と、学校を運営しているクリストファー神父(ジョン・ハート)の視点から見たジェノサイドを描く。

BBCの報道記者だったデヴィッド・ベルトンが、自ら体験したルワンダでの出来事をもとに制作された。現地で撮ることに意味があるとして、ルワンダでのオールロケを敢行している。


『ホテル・ルワンダ』は、ルワンダを見捨てた私たちに優しい。なぜなら、ルワンダには本当に酷いことをしてしまったけど、ルワンダ人の中にはポールさんのような人がいて少し救われたと、どこかで思わせてくれるからです。

しかし『ルワンダの涙』は、2500人あまりの人たちが殺されることをわかっていながら、逃げざるを得なかった白人の視点で描かれた話です。だからこそ観るべき。

ここで映し出される絶望的な現実は、主人公の目を通して観客に究極の選択を迫る。目の前で知人が殺されるのを見て、数日前まで友人だった人が血塗れたマチェーテを片手に笑っているのを目にして、あなたは逃げますか、それとも残りますか。

暴徒と化した人々は学校を取り巻き、国連軍が撤退したらすぐにも襲いかかってくるでしょう。残された人たちはすぐに殺されてしまうでしょう。でも、あなたにはそれを止める術はない。それでも一緒に残ってくれますか。

見殺しにして逃げるなんて酷いという気持ちは、一瞬にしてしぼんでしまい、おそらく自分は逃げるだろうと思った私に、撤退した人たちを責めることはできません。しかし、逃げ出した人たちが抱え込むことになる後悔や自責の念は、とてもとても重い。その重さを共有して忘れないことが、こうした悲劇を繰り返さないための第一歩なのかもしれません。

と、書いている今、スーダンのダルフールは?と考えると、何とも言えない気持ちになるわけですが。

「ボスニアでは女性の死体を見るたびに、これが自分の母親だったらと思って、毎日泣いていた。でもここでは、ただのアフリカ人の死体なのよ。涙も出ないの」。BBCの女性記者が主人公に言うセリフが、非情ですが本質をついています。

本作品では、撮影に参加したルワンダ人の全員が肉親を殺されており、当時の再現によって惨劇を追体験することになったにもかかわらず、過去と向き合って制作に参加しています。10年前に終わった出来事かもしれませんが、ルワンダの人たち、帰国したNGOの人たち、撤退した国連軍の人たちの傷は一生癒えることはないでしょう。それでも、あのエンドロールを目にした時に、この映画がつくられたことには大きな意味があったと少し救われました。

「ルワンダの涙」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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Commented by sei at 2007-02-13 08:15 x
つらくても目を背けちゃいけないですね。迷っていたのですけど、やっぱり観に行くべきですね。。
Commented by rivarisaia at 2007-02-13 20:42
『ホテルルワンダ』とはだいぶ様相が違い、全編に無力感が漂ってますが
現地を知る方が、「こっちの方がリアルなんだよ...」とつぶやいて
おりました。

それはそうと、1日1回の上映って...少なすぎるー。
by rivarisaia | 2007-02-13 02:20 | 映画/洋画 | Trackback(2) | Comments(2)

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