随園食単

昨日は餃子で頭がいっぱいになってしまったので、やる気を出して水餃子を皮からつくり、たらふく食べました。満足です。イキオイあまって、湯圓もつくろうかと思いましたが、それはやめた。でも中華菓子をいただいたので満足です。

すっかり中華料理モードの1日を過ごしたので、料理の本でも紹介しましょう。と言っても実用書じゃなくて、清の時代の詩人、袁枚(えんばい)が記した古典中の古典、ブリア・サヴァランの『美味礼賛』と並び称されるというこの本。ちょっと前まで絶版だったけど復刻されました。
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随園食単』袁枚 著   青木 正児 訳注 岩波文庫(青)

袁枚はもともとお役人でしたが、官僚に嫌気がさして38歳で職を辞し、南京の小倉山に自分が購入したお屋敷を「随園」と名づけて、そこで隠遁生活を送りました。生活費は売文で稼いでいました。かなり悠々自適だった様子。

食通としても有名だった袁枚が記した本書ですが、予備知識、警戒事項から始まり、食材別レシピから点心やお茶、お酒まで網羅しています。レシピと言っても、ざっくりした書き方なので、これを参考に料理をつくるというよりも、頭の中で想像して楽しむわけですが、なかなか読んでいて楽しい。手許に置いておき気が向いたときにパラパラ読むのに最適だったりします。食欲出るしねー。

毎回ページを開いてハッとするのは、予備知識と警戒事項の章です。とくに飲食において警戒すべきことには、200年前の袁枚先生から時空を超えて叱られる感じです。一例を挙げると、「耳餐(じさん)を戒む」という項目では次のようなことが書いてあります。

「何を耳餐というか、耳餐とは名を重んずることをいうのである。むやみに貴い物の名を並べて客に対して大いに敬意を表するもののごとく見せかける。これは耳をもって餐わすので、口で餐わすのではない」

ああ、私もたまにありますね...。どこそこのナニナニだから美味しい!と言ったりするもんなあ...。本当に美味しい場合はいいと思うけど。自分に自信がナイ...。

さて、肝心の「随園」ですが、本書にはお孫さんの記した後日談が収録されておりまして、それによると1853年に長髪賊が南京を占領した際、賊に占領され、やがて捨てられて荒廃し、たくさんの蔵書や絵などもすべて灰になってしまったとのこと。長髪賊とは太平天国のことです。それは残念! ありし日の「随園」が見てみたかったなあ。
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Commented by 熊猫 at 2007-02-19 21:05 x
北京ヒルトンのレストランの名前「随園」はこの辺りからきてるのでしょうか。
「耳餐」とは耳に痛いお話ですね。
レストラン「随園」も「耳餐」にならないよう頑張ってほしいものです。
Commented by rivarisaia at 2007-02-19 22:09
新宿には「随園別館」があります。たぶん北京ヒルトンとは関係ないと
思うけど...。「目餐」っていうのもあるんですよー。種類がたくさんあればいいというものでもない、それは目で食べているのだ、という内容です。
ああ、耳が痛い。
by rivarisaia | 2007-02-19 19:18 | | Trackback | Comments(2)

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