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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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草枕

どうしたことか先月は「草枕 あらすじ」を検索して当ブログにたどり着いた方が数名いらっしゃった様子。しかし「あらすじだけ読んでも羊羹食べたくならない」なんていうノーテンキな文章しか載っておらず、さぞガックリしたことであろうと想像しました。

そこで、たまには私もサービス精神を発揮してですね、今更ですが『草枕』のあらすじを書いてみようではないか!と思い立った。

最初に断っておきますが、私は読書感想文がとても嫌いです。したがって、感想文にはあまり役に立たない内容となります。

草枕』 夏目 漱石 著

〜あらすじ〜
画家である主人公は、ひなびた温泉宿に宿泊することになり、そこで那美という女性と知り合う。出戻り娘の那美は周囲から頭がおかしいと言われており、そんな彼女に自分を描いてほしいと頼まれる主人公だが、何かが足りないと感じていた。ある日、主人公は那美と一緒に人を見送りに駅まで行く。そこで偶然にも別れた夫を見かけた那美。そのとき彼女の顔に浮かんだ「憐れ」を見て、私の中に1枚の絵が完成したのであった。  〜おわり〜


ちゃんと読み返して書きましたが、なんだかよくわかんないですね。でもね、あらすじは結構どうでもいいんだと思います。話の大部分は主人公がひたすら悶々と考えていることなので、要は小説と見せかけて漱石が語る芸術論だったという感じでしょうか。

でもそのとりとめもなく考えていることが、なかなか面白いので難解だと思う必要もない。たとえば、くだんの「羊羹」ですが、

余は凡(すべ)ての菓子のうちで尤も羊羹が好(すき)だ。


と言っておきながら、続く文章で

別段食いたくはないが、


ときたもんですよ。えええー? どうやら眺めるのが好きらしい主人公。羊羹がいかに美しいかをつらつら述べ、その後にお茶の話になると「辟易」し、「茶人ほど勿体ぶった風流人はいない」「あぶくを飲んで結構がるものはいわゆる茶人」「かえって真の風流人を馬鹿にするための芸」と散々なことを考えたりしているわけです。笑える。笑っていいのかどうか知らないが、私はここで爆笑した。

ほかにも、温泉につかりながら、風流な土左衛門の絵を描きたいな〜と思いつつ、イメージ浮かばないから土左衛門を賛美する歌を詠んじゃったりしている主人公。

そんな主人公がときめく那美さんは確かに風変わりで、夜中に歌を歌ったり、振り袖を着て現れたり、温泉に一緒に入ってきたり、思わせぶりな行動をとったりします。つまり、那美さん=不思議ちゃん。しかも妖艶な不思議ちゃんだ。漱石の描く女性キャラ・ランキングがあったら、上位にランクインしそうな気がする萌えキャラなのでは、と思いますがどうでしょう。

本作品のキーワードは「非人情」で、そこに注目して読んでもいいし、主人公と一緒にとりとめもないことを考えながら読んでも十分に面白い本。ただし、できるだけ学校の感想文には選びたくない1冊です。
Tracked from 逆さメガネで覗く世界 -.. at 2007-05-27 22:08
タイトル : 感想:草枕
はじめに、僕の能力ではほとんどの部分は読んだだけで あまり理解してはいない、何がいいたいのかはよくわからないのです そんな感想です 評価:不明 作者:夏目漱石 1867年2月9日生まれ 帝国大学英文科卒業後、松山中学などの教師を務めた後、イギリスへ留学。帰国後東大..... more
Commented by cazorla at 2007-03-02 05:18
お孫さんの夏目房之助さんの存在を知った時 笑ってもいいのだと思いました。(笑)
私も実は ここにたどりついたのは なんかを調べていて でした。
たぶん 本でしょう。 なんだったか忘れてしまいました。
そんなこと忘れて つい読んでしまったんですよね。
おまけに春巻って名前だし・・・
Commented by rivarisaia at 2007-03-03 16:01
cazorlaさん、そうでしたね! おまけに『吾輩は猫である』も爆笑できますし、漱石はコメディセンスがあるのだわ。房之助さんはそんな漱石の血を間違いなくひいている....。

何を調べていたのでしょう。でもつい読んでいただけて良かったです!
by rivarisaia | 2007-03-01 17:14 | | Trackback(1) | Comments(2)