シャルビューク夫人の肖像

おもしろい小説にもいろいろありまして、ストーリーで読ませる小説、作家がつくりあげた世界観で読ませる小説、詩的な言葉で読ませる小説、と例を挙げればいくつも出てきます。

ストーリーで読ませるというのは基本だろうとも言えますが、話がおもしろくても世界観が合わないと読後の満足感が今ひとつだったりするわけです。逆にその世界にどっぶり浸れることができたら、本に酔うことが可能です。

最近、本酔いするのが幻想小説が多い気がするんですが、幻想的な物語であればなおのこと、小説の中の世界との相性が重要。

そして最近、ジェフリー・フォードと相性がいいかもしれない...と思うきっかけになったのがこの本。
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シャルビューク夫人の肖像(The Portrait of Mrs. Charbuque)
ジェフリー・フォード著 田中一江訳 ランダムハウス講談社

19世紀末のニューヨーク。肖像画家のピアンボに声をかけてきたのは、両目が白濁した盲目の男。シャルビューク夫人の使いと称し、法外な報酬を口にして、肖像画の製作を依頼してきた。ただし、屏風の向こうで夫人が語る過去の話とその声だけで、姿かたちを推測しなければならない、という奇妙な条件付きで。(amazonより)


屏風の向こうの謎の貴婦人という設定だけで、かなり興味をそそられますが、文章の中に落ちているちょっとしたキーワードを拾ってみただけでも、こんな感じです。

雪の結晶、双子、結晶言語学者、人糞占い師、銀のロケット、予言、カルタゴの涙、メデューサのカメオ、血の涙を流す奇病...


うわー、何でしょうね! こういうの大好き! 謎が謎を呼ぶ、幻想的なミステリーとも言える内容です。去年から気になってた本でしたが、迷わず速攻で読むべきだった。装丁買いするかどうかで、非常に悩んだ本だったのでした(去年は装丁にだまされた...という本も多かったので、ややトラウマになってたかも)。ちなみに表紙の絵は、ジョン・シンガー・サージェントの『マダムXの肖像』です。

本書のマダムXというかシャルビューク夫人とは、一体どんな人物なのか、果たして肖像画は完成するのか、血の涙の奇病とは、それは読んでのお楽しみ。

そして、ジェフリー・フォードは明日も続きます。っていうか明日が本題だったりする。
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Commented by hana at 2007-03-19 21:22 x
ちょっとゴシック・ホラーぽく聞こえますが、すごく興味をそそられる本ですね!この作者、ちっとも知りませんでした。

いやぁ~、こちらにお邪魔するようになってから、観てみたい映画や読んでみたい本が次から次へと出てきて、もう大変です(笑)。
Commented by rivarisaia at 2007-03-20 14:00
hanaさん、こんにちは。
そう言われてみるとゴシック・ホラーのような気配もあるかもしれません。しかし、あんまり重厚な感じじゃないのは舞台がアメリカだからかしら。

多少なりともお役に立ってたら嬉しいですが、中にはギャフン!となるような本やら映画やらが入っているかもしれませんね...。どうしましょう(笑)
by rivarisaia | 2007-03-19 20:27 | | Trackback | Comments(2)

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